2014年10月13日月曜日

胃の六つ灸と腰部の八点灸

先日日曜講座の第一クラスで胃の六つ灸について話題になりましたので、少し調べてみました。

10年ほど前の全日本鍼灸学会の特別演題抄録(www.jsam.jp/meeting/pdf/kagawa_3.pdf)に長野仁先生が『 -日本における名灸穴と形式灸-』(19p/44p)の中で初出を『広益秘事大全』としております。
ちなみに早稲田大学の古典籍総合データベースにあります。(http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/wo08/wo08_00438/)
上記ページの巻4の110ページです。

○鬲兪 肝兪 脾兪
俗にいふ七九十一の灸なり。大椎の骨よりかぞへて、第七にあたる骨の下両旁へひらくこと一寸五分(双行注は一寸の取り方を説明しているので省略します)の處を鬲兪とす、心痛、周痺、吐食、鬲胃ひえ、痰いで、脇腹みち、手足たるき等によし。同九椎の下両旁へ一寸五分の処を肝兪とす、怒気多く、目くろく、涙いで、気短く欬逆(しゃっくり)いで、口乾き、疝気、積聚等によし。同十一椎の下両旁へ一寸五分の處を脾兪とす、身痩(みやせ)、脇腹はり、痰、瘧(おこり)、寒熱、水腫、気脹、黄疸、不食等によし。

句読点がなく見にくかったので、適当なところに振ってみました。

しかし、ここでは「胃の六つ灸」という名称は使われていないので、はたして命名したのはどの時代の誰なのか?
ご助言いただければ幸いです。

ちなみにもう一つの話題になった、原志免太郎先生の「腰部の八点灸」はどこに取るのか、をご存知の方がいましたら、ご助言ください。

よろしくお願いいたします。

1 件のコメント:

  1. セルフレスポンスですみません。
    学校の図書室へ行って荒川先生に原志免太郎先生の本を見せていただきました。

    『灸法の医学的研究』昭和4年(1929年)

    原先生は著書の中で、まずモルモットの腰部に灸の実験した後に、膀胱の疾患を持つ患者さんに効果のあった腰部への施灸を行っていました。
    「施灸部位は命門と名づくる、第一、第二腰椎棘状突起間の経穴に並べて三点、及び薦骨部の両側に八点、合計十一穴、七壮宛(一日合計七十七壮)毎日灼いて、約六週間に達したものである。」(途中旧漢字を改めた部分あり)
    としています。
    「第一、第二腰椎棘状突起間の経穴に並べて三点」とは横に並べたのか、縦に並べたのか分かりませんが、懸枢付近に当たるのでしょう。
    薦骨とは現在の仙骨のことで、「薦骨部の両側に八点」とはおそらく八髎穴のことではないでしょうか。

    などと調べていたら、なにやら答えの書いてあるPDFを見つけました。
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed1950/4/1/4_1_42/_pdf
    インターネットって凄いですね。


    話は少しずれますが、上記の本の中の「国民保健の新提唱」の篇の中に「新保健法としての「三里の灸」」という項目がありました。
    「古来無病長寿の灸と称して、人口に膾炙せる下脚部の「三里の灸」を推奨したい」
    ちなみに米粒大を毎日七壮だそうです。

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