2016年7月28日木曜日

『鍼灸甲乙経』の日本語全訳本が出版された。

『完訳 鍼灸甲乙経(上・下巻)』。訳されたのは、森ノ宮医療学園の卒業生。
そのまえがきや『甲乙経』序にある「明堂」には、「みんどう」とふりがながふってある。
関西では、「みんどう」と発音するのが、一般的なのかもしれない。
「鍼経」は「しんきょう」。「内経」は「だいきょう」。「伊尹」は「いい」。「四時」も、現代風で「しじ」。
『甲乙経』序「華佗性惡矜技、終以戮死」を「華陀はショーワルで技をほこり……」ではなく、
「あの華陀は技術を誇ることを嫌い、ついには殺されてしまった」と、華陀を善人として訳している。

黄龍祥著『経脉理論還原与重構大綱』第一篇第1章

『靈樞』經脈第十:「經脉者.所以能決死生.處百病.調虛實.不可不通.」
この「經脈」は、「診脈」の意味である。「十二經脈」の意味ではない。
なぜなら、この文章は、『素問』三部九候論篇第二十:「人有三部.部有三候.以決死生.以處百病.以調虛實而除邪疾.……此決死生之要.不可不察也」の「不可不察」が「不可不通」に改められたのにすぎない。
なお、脈診によって「死生を決する」というのは、扁鵲医学を示す「タグ」である。

2016年7月15日金曜日

黄龍祥著『経脉理論還原与重構大綱』

日本内経医学会の新年会において黄龍祥先生が予告されていた三部作の第一作、『経脉理論還原与重構大綱』(《经脉理论还原与重构大纲、Discovery and Re-creation of Meridian Theory》)を入手した。

本書は、17章から構成される。
そのうち、第3章(扁鵲医学的特徴、経脈理論与扁鵲脈法的「血縁」)と第17章(扁鵲医籍辨佚与拼接)とは、『季刊 内経』誌に岡田隆先生が翻訳を手がけている論文と基本的に同じ内容である。

目次の一部
https://www.amazon.cn/%E5%9B%BE%E4%B9%A6/dp/B01FPGYDYW
后记:面“璧”十年破皮壳
http://www.360doc.com/content/16/0423/22/31573144_553223469.shtml

http://www.360doc.com/content/16/0604/10/31573144_564936975.shtml


引き続き、『中国古典針灸学大綱』『中国新針灸学大綱』が刊行される予定。

2016年7月14日木曜日

矢数先生旧蔵書

「泰成堂書店目録」に、矢数道明先生旧蔵の2本が出ていました。矢数家が処分したのでしょうか。
跡継ぎがいない場合は、よくあることでしょうけど、きちんと跡継ぎがいらっしゃるので、ちょっと不思議なかんじです。