『日本中国〈漢〉文化大事典』の正誤表を見たら,五行の基本配当の図の誤りが載っていた。
https://www.meijishoin.co.jp/files/news/2024/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%80%88%E6%BC%A2%E3%80%89%E6%96%87%E5%8C%96%E5%A4%A7%E4%BA%8B%E5%85%B8_%E6%AD%A3%E8%AA%A4%E8%A1%A8.pdf
『日本中国〈漢〉文化大事典』の該当箇所(陰陽五行)を読んでみた。
・今文説と古文説の関係についての説明があった。
・この項目ではじめて言及された医書は,『鍼灸甲乙経』であった。
・運気七篇は王冰が加えたものとする従来の説を踏襲している。
・東洋医学という用語を用いている。陰陽五行を基礎的な理論としているというのだから,中国伝統医学のことであろう。
以下の記述があった。
「五行に分類されたものの間では,相生・相勝(相克)・相沴・相侮等々,相互に影響し合う関係が想定され……」
「相沴」は,初めて見る用語。残念ながら,意味の説明はなかった。
関連する記述は,見落としていなければ,
「相沴は『洪範五行伝』……に確認され,やはり前漢期には成立していた考え方であることが明らかである。」
だけだと思う。
ネットで調べてみると,「五氣相沴」「五行相沴」「隂陽相沴之氣」「五行相沴交會之說」「行不相沴則王者可以制禮矣」などの例が見つかった。
本書で陰陽五行を担当したのは平澤歩先生で,『漢代経学に於ける五行説の変遷』(2022年,汲古書院)の著者。
【目次】
http://www.kyuko.asia/book/b617000.html
内容紹介:漢代における五行説の展開について、研究の蓄積が厚い経学に関係する文献資料に基づいて考察。前漢末に劉向親子によって五行説が劇的に変容したことを解き明かす。
以下が,この本の概要であろう。
https://www.l.u-tokyo.ac.jp/postgraduate/database/2014/92.html