2013年5月18日土曜日

陰虚 陽実

明治初期には,身近な用語だったようである。

中村正直『西国立志編』(明治3年ころ)
政堂憲署(政府機関,function of Government)ハ陰虚ニシテ陽実ニ非ズ。
negative and restrictive, rather than positive and active.
消極(的),積極(的)という訳語が考案される前。
    高島俊男著『漢字雑談』より

 *以下,乱暴な引用。24頁~
営養・栄養についてのはなしでは,
「栄養」とは,学問を積んで官となり,社会的地位を飛躍的に上げ,世間に尊敬されるひとになるのが「栄」で,親をそういう地位に押し上げるのが「栄養」。
 親に孝行を尽くすこと。(『日本国語大辞典』)

日本語の栄養(漢語では営養)の「栄」は「血也」という
『漢語大字典』『漢語大詞典』を引き,『素問』が引用され,最後は『脾胃論』へ。

1.夫飲食入胃,陽氣上行,津液與氣入於心,貫於肺,充實皮毛,散於百脉,脾禀氣於胃,而澆灌四旁,榮飬氣血者也。
2.在人則清濁之氣,皆從脾胃出,榮氣榮養於身,乃水糓之氣味化之也。
3.濁中清者,榮養於神。
 「栄養」=「やしなう」という動詞。

気になったのは,2.を説明して,「「清」と「濁」とは人の体にある「気」です。もちろん,宇宙から来たもの。」というところ。
博学の高島先生にして,「後天の気」とか「水穀の気」という概念までは,気をこまかく追求されていないらしい。
『脾胃論』の要点の理解まで要求するのは酷かも知れないが,残念。

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