2017年5月1日月曜日

王冰(おうぎょう)?

 『漢方の臨床』4月号に,矢数道数先生の「温知荘雑筆--人名・書名の正誤のこと--」(1963年)が再掲載されています。
 理由が説明されていないため,??と思ったのが次の3つです。

1.王 冰  ×おうひょう  ☞  ○おうぎょう
2.葛 洪  ×かっこう    ☞  ○かっきょう
3.抱朴子 ×ほうぼくし  ☞  ○ほうはくし

『漢辞海』によると音は次のとおり。
1.【冰】 (漢)(呉)ヒョウ 
2.【洪】 (漢)コウ、(呉)グ・コウ
3.【朴】 A.B.(慣)ボク、(漢)ハク,C.ホク

 これからすると,3.は「慣習音ではなく漢音で読みましょう」ということでしょうか。
1.2.については,よくわかりません。
思い当たる方がいましたら,よろしくお願いします。
 

3 件のコメント:

  1. 以下,矢数道○先生が正しいかどうかは別として,「ぎょう」「きょう」という音の由来を考えると,

    ・冰:“ 凝 ”的古字。《漢書‧五行志上》: “工冶鑄金鐵,金鐵冰滯,不成者眾。” 王先謙 補注引 劉敞 曰: “冰,音凝。” なお,『支那文を讀む爲の漢字典』で「冰」を引いてみて下さい。
    http://www.seiwatei.net/chinakan/chinadsp.cgi?gif=036
    ・洪:“共”的被通假字。

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    1. ありがとうございます。
      王冰がどういう意味で「冰」としたのかがポイントでしょうか。
      「凝」の意味で命名したのであれば,「ぎょう」ですか。

      『支那文を讀む爲の漢字典』にある“唐人「李陽冰」の冰を俗に凝の如く讀むは誤。”も気になりますね。

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  2. 森立之『素問攷注』序-1b(頭)に引く『皇朝類苑』卷五十九に:
    李陽氷深於篆隷.而名作冰.音凝.故參政王公堯臣但讀冰字曰陽凝无義.唯陽冰有不治之語.

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