・『霊枢』病本第二十五・病傳第四十二は、『素問』標本病傳論篇第六十五と共通している。丸山先生は、病の伝わり方を五行で簡素にまとめてあることに注目して、『素問』を参照して『霊枢』に抜き出したのではとしている。私はそこまで単純に考えられないのではと思う。ある程度の経書からお互いが偶然同じ文書を参照しているという可能性もあると考える。
・「病傳」は、『難経』五十三難に参照されている。『難経』五十三難には「七伝」とあり、諸注には「七回伝わる」とあるが、「病傳」には伝わり方が七系統あり、これが「七伝」の由来ではなかろうか。七伝というキーワードが出てこないことから、『素問』、『霊枢』→『難経』という参照関係ではなく、「七伝」について書かれた別の医籍が関与していたかもしれない。
・『難経』は五行論(相克)を使って簡略化しすぎているので、読む際は注意が必要。
・「膂膀胱」とあるが、ワンセットになっているのは珍しく、膂の字は甲乙経にはない。
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