耑の山が右に傾いているどころか,ほとんど逆さになっている様な字「𦓔」が,例の弾踝診法のところに,『太素』では登場します。もつともこれは,『素問』三部九候論では「蠕」になっているんで,声符需の問題であって,耑とはとりあえず関係ない。耑の異体字の中に,爪に而というのは無いかと探したけれど,見つからない。『説文』の言い分に従えば,より相応しいと思うんだが。
『太素』巻14人迎脈口診に「外揣言渾束為一」云々とあり,楊上善注に「揣,初委反,度也」という。つまり,こちらは音はシで,義は度(はかる)で,辻褄はあっている。
『太素』巻14真蔵脈形に「真腎脈至,揣而絕,如循彈石辟辟然,其色黃黑不澤,毛折乃死。」とあって,楊上善の注に「揣,初委反,動也。」という。これはどうも音・義ともに誤っているらしい。というのは揣には丁果切という音もあって,それなら『広雅』に「動也」とある。動という義なら初委反ではない。巻15五蔵脈診「心脈揣堅而長」云々の下にも楊上善は「揣,動也。」と言っている。しかし,後に「肝脈揣堅而長,色不青……,若耎而散者,其色澤……」とあるのだから,堅←→耎(やわらか)であり,揣←→散であるはずだろう。つまり,揣は摶の異形同字で義は聚の貌。
訂正『広韻』には,初委切に度也,量也だが,又丁果切ともあり,丁果切に揺也だが,又初委切ともあるらしい。何が何だかわからなくなった。
耑の山が右に傾いているどころか,ほとんど逆さになっている様な字「𦓔」が,例の弾踝診法のところに,『太素』では登場します。もつともこれは,『素問』三部九候論では「蠕」になっているんで,声符需の問題であって,耑とはとりあえず関係ない。
返信削除耑の異体字の中に,爪に而というのは無いかと探したけれど,見つからない。『説文』の言い分に従えば,より相応しいと思うんだが。
『太素』巻14人迎脈口診に「外揣言渾束為一」云々とあり,楊上善注に「揣,初委反,度也」という。つまり,こちらは音はシで,義は度(はかる)で,辻褄はあっている。
返信削除『太素』巻14真蔵脈形に「真腎脈至,揣而絕,如循彈石辟辟然,其色黃黑不澤,毛折乃死。」とあって,楊上善の注に「揣,初委反,動也。」という。これはどうも音・義ともに誤っているらしい。
返信削除というのは揣には丁果切という音もあって,それなら『広雅』に「動也」とある。動という義なら初委反ではない。
巻15五蔵脈診「心脈揣堅而長」云々の下にも楊上善は「揣,動也。」と言っている。しかし,後に「肝脈揣堅而長,色不青……,若耎而散者,其色澤……」とあるのだから,堅←→耎(やわらか)であり,揣←→散であるはずだろう。つまり,揣は摶の異形同字で義は聚の貌。
訂正
削除『広韻』には,初委切に度也,量也だが,又丁果切ともあり,丁果切に揺也だが,又初委切ともあるらしい。何が何だかわからなくなった。