2018年7月2日月曜日

黄帝内経大詞典

篠原孝市先生が、『医道の日本』に「臨床に活かす古典」を連載されている。
古典鍼灸書を学ぼうとするものにとって、必読だと思う。
74回目は「工具」。なぜ「工具書」でないのかは、わからないが。
『素問』『霊枢』の辞典としては、「『内経詞典』『黄帝内経詞典』『黄帝内経大詞典』の三書に尽きる」という。
そして、「なかでも『黄帝内経大詞典』は、音韻学に基づく、これまでにない新しい解釈が随所に見られる」という。
「新しい解釈が随所に見られる」と,正しいことを言っている。事実を述べている。
しかし,篠原先生は、この『黄帝内経大詞典』を推奨しているのだろうか。
紙数が限られた中で、このように書いているのであるから、おそらくプラスの評価をされているのであろう。
わたくしの見立てでは、『黄帝内経大詞典』は、音韻学を駆使して正しい解釈を導き出しているというより、根拠薄弱な通仮・音転を濫用して恣意的な解釈を辞典にしたてたもの、であった。同じ著者の『黄帝内経素問考証新釈』を読んで,つくづくそう感じた。
これを書いていて,だいぶ前に談話室でこの本を話題に取り上げたことを想い出した。

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