2020年7月1日水曜日

『クラシカル素問』


「本書は、1956年に人民衛生出版社で印刷・出版された『重広補注黄帝内経素問』を底本としており、これは1852年に金山銭によって校勘されているものです。」

困ったものだ。
現代漢語の読解力が足りないのか,『素問』版本についての基礎知識を持っていないのか。

上記のネット記事しか読んでいないが,
この訳書の底本は,人民衛生出版社の活字本(1963年初版)だと思う。
そうであれば,上記の説明は,あきらかに誤りである。
人民衛生出版社の「出版説明」には,次のようにある。
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われわれ(人民衛生出版社)は,我が社が1956年に景印出版した顧從德本『素問』を監本とし,1852年の金山の錢氏守山閣本とその校勘記,および関聯書を参考にして,全面的に校勘を行なった。
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1956年本を底本として,1852年本の校勘記事などを取り入れた上で,全体を校勘し,1963年に出版した本である。
 「校勘記」は,もちろん金さんのものではない。金山は地名。守山閣の錢熙祚のものでもなく,顧觀光の『素問校勘記』である。

1 件のコメント:

  1. 『クラシカル素問』をなにげに開いていたら、王冰序で、「惇于は、魏にあっては、張公華」
    と訳しているところにぶつかった。全く意味不明。不安になり、原文を調べると「則周有秦公、漢有淳于公、魏有張公、華公」であり、倉公淳于意を知らないから、惇于(とんう)とし、張公が張仲景、華公が華陀と知らないから、張公華としてしまったんだろうね。「則周有秦公」も省いてしまっているし。

     この先、読み進むのを、ためらってしまう。

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