2017年7月30日日曜日

仮名読十四経治方 〔翻字〕02

一オモテ
仮名読十四経(じゅうしけい)治法(ちほう)
凡例(はんれい)
一 此編(このへん)や衆書中(しゅしょちゅう)の最も良(りょう)なるものを採(ひろ)り摭(とり)集(あつめ)て、上下の巻(かん)とす。朝鮮の許任が説に拠(よる)もの多し。間(まま)また積歳の経験を載(の)す。
〔許任『鍼灸経験方』仁祖二十二年(一六四四)刊。本書の参考文献は享保十年(一七二五)山川淳庵刊本。〕
一 国字(かな)を以て直読(すぐよみ)に記(しるす)するものは、読易(よみやす)からしめんが為なり。童蒙の行(ゆく)に岐路(ちまた)なきを示す。
〔岐路:分かれ道。正しくない道。〕
一 篇中僅(わずか)に薬物を載(の)するものは、針灸の及ばざる処を補(おぎなう)ものなり。敢(あえ)て自分窮(きわむ)るにあらず。只(ただ)寸心棄(すつ)るに忍(しのび)ざるか為なり。覧(みる)もの若(も)し能(よく)これが意を加へ、方(ほう)を需(もと)め証
一ウラ
に対せば、効(しるし)を収むるに小補あらん。
〔寸心:こころ。〕
一 ○置(おく)は、門中の諸症を頒(わかち)、其(その)急に臨んで易(やす)からしめんが為なり。△置(おく)は、愚按なり。蓋(けだし)皆拠(よりどころ)あれは也(なり)。混(こんじ)見(みる)事なかれ。
〔といいながら、△の下も実際は引用文だったりする。〕
一 編中、口授(くじゅ)口伝(くでん)といふものは、敢(あえ)て秘するにあらず。耳提せざれは諭(さと)しがたし。故に口授(くじゅ)といふ。
〔耳提:耳を引いて寄せること。面命(向かい合って説き聞かせること)とまとめていうことが多い。細かいところまで行き届いた丁寧な説明をして、理解できるように説き聞かせること。〕
一 死を起(おこ)し生(しょう)を回(かえ)すものは、兪穴(ゆけつ)にあり。兪穴刺(ささ)ざれは効(しるし)なし。故に下巻(げかん)に図翼を載(の)す。腹脇(ふくきょう)手足(しゅそく)骨度の寸尺を記(しる)して、兪穴の分寸(ぶんすん)を知(しら)しむ。全く骨度正誤の図説に従(したがう)なり。
〔骨度正誤図説:村上宗占撰。http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ya09/ya09_01095/〕

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