2026年1月14日水曜日

『鍼灸重宝記』校註 (一部)

 

○牙齒(げし) きば・はのやまひ 

▲牙痛は陽谿・少海・曲池・陽谷・二・厲兌。  140頁上段うしろ2行目:

★「二門」は,『神應經』鼻口部・牙疼によれば「二」の誤り。

▲上牙痛には人中・内庭・大淵・呂細・少海・三里。  140頁上段うしろ1行目:

★呂細:出典と思われる『神應經』鼻口部・牙疼にしたがって「内踝骨の尖り上に在り」を加える。

▲下歯いたまば、龍玄側腕交刃・承漿・合谷・三間。  140頁下段1行目:

★龍玄側腕交刃:出典と思われる『神應經』牙疼にしたがって,「龍玄(側腕交叉脈に在り)」とする。

 

 ○婦人の科

▲月水調(ととなふ)らざるには‥‥又肩兪効あり。 147頁下段2行目:

★「兪」は,『神應經』婦人部・月脈不調によれば「腎兪」の誤り。

▲腿痛は骨康し。 148頁下段2行目:

★出典は,『鍼灸聚英』手足腰腋女人:「假如腿痛寘骨康」(「寘」は「置」の異体字)。これをそのまま引用している。

『鍼灸聚英』の出典は『神應經』手足腰腋部の「腿痛:骨」であると思われるので,「寘骨」は「骨」の誤りであろう。寛骨は,また「髖骨」に作る。

・『扁鵲神應鍼灸玉龍經』腿痛:「髖骨能醫兩腿痛」。髖骨:在膝蓋上一寸,梁丘穴兩傍各五寸。直針半寸,灸二七壯,隨病補瀉。

・「梁丘穴兩傍各五」は,不審。

・『類經圖翼』卷10・奇兪:「髖骨:在膝蓋上,梁丘旁外開一寸」。

・『鍼灸大成』通玄指要賦(楊氏注解):髖骨將腿痛以祛殘髖骨二穴,在委中上三寸,髀樞中,垂手取之,治腿足疼痛,針三分。一云:『跨骨在膝臏上一寸,兩筋空處是穴,刺入五分,先補後瀉,其病自除。』此即梁丘穴也,更治乳癰。按此兩解,俱與經外奇穴不同,並存,以俟知者。)

・『針灸奇穴辞典』328頁:【経穴との関係】梁丘穴(胃経)の両側1寸5分のところ。

・間中喜雄訳『奇穴図譜』120頁:膝蓋骨の上2寸,梁丘穴の両側各1寸のところ。

A+醫學百科:「在大腿前面下部,當胃經梁丘穴兩旁各1.5處,一側兩穴;正坐或仰臥取穴。」

 https://cht.a-hospital.com/w/骨穴

・『針灸奇穴辞典』には,『醫經小學』:「梁丘穴の両側各1寸5分のところ」とあるが, 吉田宗恂『重編醫經小學』のことか。『重編醫經小學』卷8下・鍼灸下・手足腰腋に「假如腿痛骨康」とあるが,部位に関しては未詳。

 

▲血塊には復溜・三里・気海・丹田・復帯・三陰交。 148頁下段9行目:

★『重宝記』は『鍼灸聚英』手足腰腋女人の「血塊曲泉復溜中,三里氣海丹田同,復帶三陰交一穴,醫人須當仔細攻」による。

・対応する『神應經』婦人部・血塊は,「曲泉 復溜 足三里 氣海 丹田 三陰交」で,「復帶」はない。

 つまり「復帶」は穴名ではない。七言詩を構成する語の一部であり,「復帶三陰交一穴」は「復た三陰交の一穴を帶ぶ」。

 

妊婦 はらみおんな

▲子なきは三丘・中極。 148頁下段うしろ2行目:

・「三丘」は「商丘」の誤りか。

★『鍼灸聚英』手足腰腋女人:「絕子商丘中極攻」。

★『神應經』婦人部・絕子:「商丘 中極」。

・なお「絕子」は,子を産む機能を絶つことであろう。

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