2015年4月2日木曜日

『霊枢講義』五閲五使

〈蔣示吉〉『望色啓微』云、人將死、則鼻柱曲縮、故孔則張大上向、又云、周禮疾醫、以五色五氣、眡其死生、兩之以九竅之變、其斯之謂乎、又云、顴赤、神將去也、又云、土邪乘干、故色黒黄色現顴顏、腎水將絶、反乘心火也、
〈桂山先生〉曰、〈蔣氏〉以黄帝之黄字、接上句釋之、誤、

 ※渋江抽斎の引用する『望色啓微』には、誤脱、句読の誤りがある。
『望色啓微』巻三・望官主病法(五閲五使篇)は「顴赤色、神將去也」。「(腎……病則)土邪來干故色。黒黄……」(土邪來たりて故色(もとの色=黒)を干(おか)す。黒黄、顴顏に現はるるは、……)

多紀先生のいうことは、
 ※蒋示吉『望色啓微』巻三・望官主病法(五閲五使篇)の引用文は、「腎病者、顴與顏黒黄」となっている。本来「腎病者、顴與顏黒。黄帝曰:……」と切らなければならない、という意味である。
※なお、つづく文は「帝曰」ではなく、「黄帝曰」となっている。「黄」が一字多いことになる。

※『周禮』天官冢宰・疾醫:「以五味五穀五藥養其病。以五氣五聲五色眡其死生。兩之以九竅之變、參之以九藏之動〔五味・五穀・五藥を以て其の病を養う。五氣・五聲・五色を以て其の死生を眡(み)る。之を兩するに九竅の變を以てし、之を參するに九藏の動を以てす〕。」本田二郎『周禮通釋』「五味・五穀・五藥でもって疾病を療養する。先ず第一に五氣・五聲・五色を以て病人の病勢を觀察し、治癒の希望があるかどうかを測知する。第二には九竅の開閉が正常かどうかを觀察する必要があるし、第三には脈を診(み)て九藏の活動の狀況を測知して、病狀を斷定する。」

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