2020年10月16日金曜日

九針十二原篇のあらまし(仮)

〇黄帝と岐伯の問答の辞から始まる2段落とする。前の段落は九針の篇で「どう刺すか」,後の段落は十二原の篇で「どこへ刺すか」。

〇微針を以て経脈を通じることによる治療を確立したい。そのために先ず『針経』を成立させる。

〇補写の3様:

➀小針の要:刺の微は速遅に在る。つまり刺すべきときに刺し,抜くべきときに抜く。タイミング。

➁大要:徐刺速抜と速刺徐抜。手技のスピード。

➂写曰迎之,補曰随之:術者の責任か,患者の身体の反応次第か。

漏らすつもりであれば,術者が積極的に奪いにいくべきである。保つつもりであれば,じっくりと聚まるのを待つしか無い。術者の思惑通りにはいかない。

〇此処に施術しても彼処に何の反応も無いとしたら,その間に障碍物が有るはずであり,血絡として横居しているのであろうから,それを取り除く。

〇上記のような状態を解決するには,針術がもっとも有効である。そこで様々な針の形状と用途を説く。いずれも針の尖端を病処に届かせる。どうして遠隔操作的な針術を記述しないのか。

〇陥脈,中脈は刺針の深度の問題。ごく浅く刺して陽邪を散じ,やや深く刺して陰邪を漏らす。さらに深くして分肉の間に届けば精気が至る。

〇病によって在る処はそれぞれであるから,用いるべき針はそれぞれであるべきで,相応しくない針の使用,過剰な施術は危険をまねく。

〇針の施術が有効であるのは,患者の身体が反応したからであり,闇雲に刺しさえすればいいとというわけにはいかない。刺の道は,気至らざればその数を問うこと勿れ,気至れば乃ちこれを去り,また針すること勿れ。

〇針術は極めて微妙なものであるが,曖昧というわけものではない。きちんと施術すれば明確な反応が現れるはずである。

〇経脈には神気の遊行出入するポイント=本輸がある。

〇経脈の一端に本輸があり,他の一端に蔵府がある。

〇五蔵の気は,内の掖膺と外の四末で,絶したり実したりしている。内が絶したときに,外を実せしめてはならぬ。外が絶したときに,内を実せしめてはならぬ。腋膺か四末か。刺すところによって,経脈に傾斜が生じる。

〇施術量は必要充分であるべきで,過剰になったりすることが特にいけない。

〇腕踝の関節の原穴が,五蔵の診断兼治療点である。

〇鬲肓の原は府の病を分担する。脹満と飱泄である。

〇五蔵の疾の類型は,たとえば刺閉のごとし。

〇瀉は熱に対する散針,補は寒に対する留針をもととする。

〇腹中に熱症があれば,三里で下す。

〇脹満には鬲の原,(胃)大腸の下合穴,さらに陽陵泉。飱泄には肓の原,小腸の原,さらに陰陵泉。

 

3 件のコメント:

  1. ハテナ,こんなの投稿したっけ,という心細さです。
    これだけじゃ,何のことやら分からない,のが普通じゃないか……なあ。
    実は,ZOOMで日曜午後にお話をしてます。
    それで講座後にまとめを制作中ではあるけれど,あんまりうまくまとまってないので,とりあえずの「あらまし」です。
    ZOOMに参加すれば,もう少しはわかりやすいんじゃないか,という人を排除したりはしません。
    少なくとも来年度には,「粗読」並に広告(公告)しようか,という気もしてます。
    今は練習中のつもりです。
    無名氏本の『霊枢』と,高校生用の漢和辞典が有れば,取りあえず参加はできるでしょう。
    他の参考書は,ほしいものをどんどん買っていたらきりが無い,けれどまあ精選の情報も,ね。
    講座内容のまとめは何度も繰り返して,今もって試行中,ときどきそっと提供中。

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  2. 九鍼十二原篇はふしぎな篇で、ある時点で自分なりに合点しても、ひと月もたてば、あるいは一週間後でも、あの時の合点が、今の合点じゃなくなるのです・・・

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  3. 『霊枢』全篇の解読は,多分三回。二回分のまとめは残っている。終始篇までならもう二回かな。九針十二原は限りなく,というかまあ十回くらいは……。途中で挫折した回数のことですが。
    今はなんとか,先ず『針経』を立てんと言うことで,行きつ戻りつ。
    全篇となると時間切れのおそれがあるんで。

    他に,実は『難経』の半分くらいには,斬新な(奇っ怪な)解釈を……。後半分には平々凡々な理解しかできてない。

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