譚賔録唐髙宗苦風眩頭目不能視召侍
醫秦鳴鶴𧧂之秦曰風毒上攻若剌頭出
少血愈矣天后自簾中怒曰此可斬也天
子頭上豈是出血處耶鳴鶴叩頭請命上
曰醫人議病理不加罪且頭重悶殆不能
忍出血未必不佳朕意決矣命剌之鳴鶴
剌百㑹及腦戸出血上曰吾眼明矣言未
畢后自簾中頂禮以謝之曰此天賜我師
也躬負繒寶以遺之
【訓み下し】061-2
『譚賓錄』:唐の高宗 風眩を苦しみ,頭目 視ること能わず。侍醫の秦鳴鶴を召し之を診しむ。秦曰わく,「風毒 上って攻む。若し頭を刺して少血を出ださば,愈えん」。天后 簾中自り怒って曰わく,「此れ斬る可きなり。天子の頭上,豈に是れ血を出だす處ならんや」。鳴鶴 叩頭して命を請う。上曰わく,「醫人 病を議するは,理として罪を加えず。且つ頭重く悶え,殆ど忍ぶこと能わず。血を出ださば,未だ必ずしも佳からずんばあらざらん。朕が意 決す」。命じて之を刺さしむ。鳴鶴 百會及び腦戶を刺して血を出だす。上曰わく,「吾が眼 明らけし」。言未だ畢わらず,后 簾中自り頂禮して,以て之を謝す。曰わく,「此れ天 我らに師/我が師/を賜えり」。躬(みずか)ら繒寶を負(お)いて,以て之に遺(おく)る。
【注釋】061-2
○譚賔録:056を参照。/賔:「賓」の異体字。 ○唐髙宗:唐の第3代皇帝。太宗の第9子で、諱は治。/髙:「高」の異体字。 ○風眩:眩暈的一種。/病名。因風邪、風痰所致的眩暈。見『諸病源候論』婦人雜病諸候。又稱風頭眩。詳見風寒眩暈、風熱眩運、風痰眩暈條。 ○頭:『醫說』は「頭重」に作る。また「風眩頭」は「風頭眩」が正しいか。 ○侍醫:侍候帝王的醫生。侍醫之職始設於秦代,相當於後世的御醫,其職責是侍奉皇帝並直接負責皇帝的醫療保健。 ○秦鳴鶴:唐代醫生。唐高宗侍醫。精針術。高宗患頭風,頭眩,目不能視,詔鳴鶴診視。鳴鶴曰:「風毒上攻,若刺頭出少血可愈。」遂刺百會及腦戶出血,獲良效。 ○𧧂:「診」の異体字。 ○剌:「刺」の異体字。 ○天后:唐武后則天號稱「天后」。/『舊唐書』本紀第六・則天皇后:(唐高宗)永徽六年,廢王皇后而立武宸妃為皇后。高宗稱天皇,武后亦稱天后。 ○簾:用竹片、布帛等編製成遮蔽門窗的用具。 ○天子:古以君權為神所授, 故稱帝王為天子。/舊稱統治天下的帝王。古代認為帝王乃受天命而有天下,所以帝王為上天的兒子,稱為「天子」。 ○叩頭:伏身跪拜,以頭叩地。為古代的最敬禮。/伏身跪拜,以頭叩地。舊時為最鄭重的一種禮節。 ○請命:請求饒恕己命。表示願意聽命。請求指示。 ○上:皇帝。 ○議:討論、商量。 ○理:事物的規律、意旨。 ○頭重:證名。頭部自覺重墜,或如布帶束裹的感覺。出『素問』刺熱論。多因外感濕邪、疫氣或濕痰壅阻所致。若濕淫外著,或痰濕上蒸,必壅蔽清道,致氣血不利,沉滯於經隧脈絡,故頭重。 ○出血:血管壁破裂,血液外流。血液流出。 ○佳:美、好。 ○朕:從秦始皇以後,專屬皇帝的自稱。 ○百㑹:人體穴位,位置在頭頂正中線與兩耳尖聯線的交點處。首見於『針灸甲乙經』,歸屬督脈,別名「三陽五會」。/㑹:「會」の異体字。 ○腦戸:經穴名。出『素問』刺禁論。別名匝風、會額、合顱。屬督脈。督脈、足太陽之會。在頭部,後髮際正中直上2.5寸,風府上1.5寸,枕外隆凸的上緣凹陷處。布有枕大神經分支和左右枕動靜脈分支。主治癲癇,頭暈,失眠,項強,瘖不能言,及枕神經痛等。/戸:「戶」の異体字。 ○頂禮:五體投地。指以頭頂禮佛足,為佛家的最敬禮。/雙膝下跪,兩手伏地,以頭頂尊者之足,是佛教徒最崇敬的禮節。敬禮,致敬。 ○謝:表示感激、酬答。 ○天賜:上天所賞賜。/賜:給予,上級賞給下級。『說文解字』貝部:「賜,予也。」 ○我師:賜の対象語。「我の師を」か「我に師を」か。『太平廣記』譯文は「上天賜給我的醫師」。/師:具有專門技藝的人。如:「醫師」。教授學問、知識的人。如:「教師」、「導師」。 ○躬:親身、親自。 ○負:以肩背物。 ○繒:絲織品的總稱。 ○寶:珍貴的東西。舊時錢幣。 ○遺:贈送、給予。
○『太平廣記』醫一・秦鳴鶴:唐高宗苦風眩,頭目不能視。召侍醫秦鳴鶴診之。秦曰。風毒上攻,若刺頭出少血,愈矣。天后自簾中怒曰。此可斬也。天子頭上,豈是出血處耶。鳴鶴叩頭請命。上曰。醫人議病,理不加罪。且吾頭重悶,殆不能忍,出血未必不佳。朕意決矣。命刺之。鳴鶴刺百會及腦戶出血。上曰。吾眼明矣。言未畢,后自簾中頂禮以謝之曰。此天賜我師也。躬負繒寶以遺之。(出『譚賓錄』。)
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『太平廣記』【譯文】唐高宗患了風眩病,他痛苦不堪,頭暈目眩,看不清東西。召侍醫秦鳴鶴給他看病,秦鳴鶴看後說:“這是風毒往上攻引起的,如果刺破頭出點血,就能好了。”則天皇后在簾後面大怒道:“此人該斬!天子的頭上是出血的地方嗎!”秦鳴鶴磕頭請求饒命。高宗說:“給人看病,議談病情,按道理是不應該治罪的。並且我的頭非常沉悶,幾乎不能忍受了,出點血不一定就不好。我決心已定。”高宗讓他給刺。秦鳴鶴刺唐高宗的百會穴和腦戶穴,刺出了出血。唐高宗說:“我的眼睛能看見了。”他的話還沒說完,則天皇后在簾後頂禮拜謝秦鳴鶴,說:“這是上天賜給我的醫師啊!”然後親自贈送絲帛、珠寶給秦鳴鶴。(出自『譚賓錄』。)
○『醫說』卷二・鍼灸・鍼愈風眩:「秦鳴鶴為侍醫。高宗苦風眩,頭重,目不能視。武后亦幸災異,逞其志。至是疾甚,召鳴鶴・張文仲診之。鳴鶴曰:風毒上攻,若刺頭出少血,即愈矣。天后自簾中怒曰:此可斬也,天子頭上豈是試出血處耶!上曰:醫之議病,理不加罪,且吾頭重悶,殆不能忍。出血未必不佳。命刺之。鳴鶴刺百會及腦戶,出血。上曰:吾眼明矣。言未畢,后自簾中頂禮拜謝之,曰:此天賜我師也。躬負繒寶,以遺鳴鶴」。〔出典記事なし。〕
○『舊唐書』本紀/卷五 高宗 李治 下 紀第五/永淳二年:十一月……上苦頭重不可忍,侍醫秦鳴鶴曰:「刺頭微出血,可愈。」天后帷中言曰:「此可斬,欲刺血於人主首耶!」上曰:「吾苦頭重,出血未必不佳。」即刺百會,上曰:「吾眼明矣。」
○『新唐書』列傳/后妃上/高宗則天武皇后:儀鳳三年……帝頭眩不能視,侍醫張文仲、秦鳴鶴曰:「風上逆,砭頭血可愈。」后內幸帝殆,得自專,怒曰:「是可斬,帝體寧刺血處邪?」醫頓首請命。帝曰:「醫議疾,烏可罪?且吾眩不可堪,聽為之!」醫一再刺,帝曰:「吾目明矣!」言未畢,后簾中再拜謝,曰:「天賜我師!」身負繒寶以賜。
○『大唐新語』第二十一章 諛佞:高宗末年,苦風眩頭重,目不能視。則天幸災逞己志,潛遏絕醫術,不欲其愈。及疾甚,召侍醫張文仲、秦鳴鶴診之。鳴鶴曰:「風毒上攻,若刺頭出少血,則愈矣。」則天簾中怒曰:「此可斬!天子頭上豈是試出血處耶!」鳴鶴叩頭請命,高宗曰:「醫之議病,理不加罪。且我頭重悶,殆不能忍,出血未必不佳。朕意決矣。」命刺之。鳴鶴刺百會及朏戶出血。高宗曰:「吾眼明矣。」言未畢,則天自簾中頂禮以謝鳴鶴等曰:「此天賜我師也。」躬負繒寶以遺之。高宗甚愧焉。
○『資治通鑑』卷二百三·唐紀十九 高宗永淳元年 弘道元年 則天后光宅元年 垂拱元年至二年:十一月丙戌,詔罷來年封嵩山,上疾甚故也。上苦頭重,不能視,召侍醫秦鳴鶴診之〔殿中省尚藥局有侍御醫四人,從六品上。診,止忍翻。〕,鳴鶴請刺頭出血,可愈〔刺,七亦翻。〕。天后在簾中,不欲上疾愈,怒曰:「此可斬也,乃欲於天子頭刺血!」鳴鶴叩頭請命。上曰:「但刺之,未必不佳。」乃刺百會、腦戶二穴〔鍼灸經:百會,一名三陽五會,在前頂後寸半,頂中央旋毛中,可容豆鍼二分,得氣即瀉。腦戶,一名合顱,在枕骨上強後寸半,禁鍼,鍼令人瘂。舊傳:鳴鶴鍼微出血,頭疼立止。〕。上曰:「吾目似明矣。」后舉手加額曰:「天賜也!」自負綵百匹以賜鳴鶴。
識典古籍*******************************************************
譚賓錄:唐高宗苦風眩,頭目不能視,召侍醫秦鳴鶴診之。
【AI譯文】
『谭宾录』记载:唐高宗被风眩病所苦,头部和眼睛不能视物,招来侍医秦鸣鹤为他诊断病情。
【AI 1】『譚賓録』によると、唐の高宗は風眩病に苦しみ、頭部と目が物を見ることができなくなった。侍医の秦鳴鶴を招いて診察させると、
【AI 2】『譚賓録』によると、唐の高宗は風眩病に苦しめられ、頭と目が物を見ることができなくなった。侍医の秦鳴鶴を呼んで診察させたところ、
秦曰:風毒上攻,若剌頭出少血,愈矣。
【AI譯文】
秦氏说:‘风毒向上侵袭,如果针刺头部使其流出少量血液,就会痊愈了。’
【AI 1】秦氏は「風毒が上部に侵入しているため、頭部を針で刺して少量の血を流せば治るでしょう」と言った。
【AI 2】秦氏はこう言った。「風毒が上に侵入しています。頭部に鍼を刺して少量の血を出せば、快癒するでしょう。」
天后自簾中怒曰:此可斬也,天子頭上豈是出血處耶?
【AI譯文】
天后在帘子后面发怒说:“这个人该杀,天子的头上难道是能出血的地方吗?”
【AI 1】すると、天后は簾の後ろで怒り、「この者は処罰されるべきだ。天子の頭から血を流すとは何事か」と叱責した。
【AI 2】すると天后(武則天)は簾の後ろから怒って言った。「この者は殺すべきです。天子の頭から血を出すなど言語道断です!」
鳴鶴叩頭請命。
【AI譯文】
鸣鹤叩头请求饶命。
【AI 1】秦鳴鶴は命乞いをしたが、
【AI 2】秦鳴鶴は頭を下げて命乞いをした。
上曰:醫人議病,理不加罪,且頭重悶,殆不能忍,出血未必不佳,朕意決矣。
【AI譯文】
皇帝说:“医生讨论病情,按理不能加罪,况且我的头沉重闷胀,几乎不能忍受,(在头上)放血未必不好,我的主意已定。”
【AI 1】高宗は「医者が病状を議論することは罪に問われるべきではない。それに、私の頭は重く膨張し、耐え難い。頭から血を流すのが悪いとは限らない。私の決意は固い」と言い、
【AI 2】皇帝は言った。「医者が病を論じるのは当然のこと、罰するべきではない。ましてや、私の頭は重く苦しく、ほとんど耐えがたい。頭から血を出すのも悪くないかもしれない。私の決心は固い。」
命刺之。
【AI譯文】
命令他去用针刺自己的头部。
【AI 1】彼に自身の頭部を針で刺すよう命じた。
【AI 2】そして秦鳴鶴に、自分の頭に鍼を刺すよう命じた。
鳴鶴剌百會及腦户出血。
【AI譯文】
秦鸣鹤针刺百会穴以及脑户穴使之出血。
【AI 1】秦鳴鶴は百会穴と脳戸穴を針で刺し、血を流した。
【AI 2】秦鳴鶴は百会穴と脳戸穴に鍼を刺して出血させた。
上曰:吾眼明矣。
【AI譯文】
皇帝说:“我的眼睛明亮了。”
【AI 1】すると皇帝は「目がはっきり見えるようになった!」と言った。
【AI 2】皇帝は「目がはっきり見えるようになった」と言い、
言未畢,后自簾中頂禮以謝之,曰:此天賜我師也。
【AI譯文】
话还没有说完,武后就从帘子后面向他顶礼致谢,说:‘这是上天赐给我的老师啊。’
【AI 1】その言葉が終わる前に、武后は簾の後ろから出て秦鳴鶴に深く礼をし、「これは天が私に与えた師である」と称えた。
【AI 2】その言葉が終わらぬうちに、武后は簾の後ろから出てきて彼に礼をして感謝し、「これは天が与えてくれた先生です」と言った。
躬負繒寶以遺之。
【AI譯文】
亲自带着绸缎和宝物来送给他。
【AI 1】そして、彼に自ら絹織物や宝物を贈った。
【AI 2】そして自ら絹や宝物を持って彼に贈った。
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