鉄斎流「按腹獨稽古」を読んで考えた(1/X) (2/X)
の筆者は,「臨床実践鍼灸流儀書集成第8冊」(オリエント出版社)所収の<雨水分流> は,浪華一愚子(1793)「按腹獨稽古」からの写したものだと推測している。
http://zhenjiu.hatenablog.com/entry/2014/06/17/170437
http://zhenjiu.hatenablog.com/entry/2015/03/14/195609
*「按腹伝」内海辰之進(1791)
*「按腹獨稽古」浪華一愚子(1793)
★「按腹伝」(1791)の根拠未詳。「按腹獨稽古」も未見のため,(1793)も確かめられず。
一方,加納覚先生の調査によれば,〔雨水分流〕は,内海辰之進『按腹伝』の一部を写したものである(一部に,回数,右と左など文字の異同あり,不自然な形で写本は終わっている)。
・「按腹獨稽古」=「按腹傳」
拝見したところ,内海辰之進『按腹傳』は,寛政12年(=1800)刊。序文はその前年1799年であった。
http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/kichosearch/src/fuji59.html
以前に,加納覚先生の
浪華軒一愚子『(百病皆治)按摩独稽古』一冊(寛政5年刊) =宮脇仲策『導引口訣鈔』
という調査結果をこの談話室に書いた。
ということは,『按腹獨稽古』もパクリ本である可能性が考えられる。しかし,(1793)が正しいのなら,こちらの方が早いことになる。待考。
いずれにせよ,〔雨水分流〕は,鍼灸の流儀書ではなかった。
なお,『鍼灸按摩史論考: 長尾栄一教授退官記念論文集』をお持ちの方は,『按腹伝』に関する記事を補足していただければ,さいわいです。
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