涪翁針經 叔和脉訣 涪翁の針經 叔和の脉訣 (涪翁・王叔和)
漢書涪翁者不知其姓名𠋩何郡人後漢
時釣於涪水時人莫知能識因號涪翁焉
於術所治病不限貴賤皆磨踵救之而不
求報著針經𧧂脉之法甚爲當代所重後
莫知所之初廣漢程髙服膺事之乃得
其禁方
【訓み下し】062-1
『漢書』:涪翁なる者,其の姓名,復た何郡の人かを知らず。後漢の時,涪水に釣す。時の人 知(これ)〔之〕を能く識ること莫し。因って涪翁と號す。術に於いて治する所の病,貴賤を限らず,皆な踵を磨して之を救い,而(しか)も報いを求めず。『針經』『診脉之法』を著わし,甚だ當代の重んずる所と爲る。後に之く所を知ること莫し。初め,廣漢の程高 服膺して之に事(つか)え,乃ち其の禁方を得たり。
【注釋】062-1
○漢書:内容からすれば,『後漢書』とすべきもの。002を参照。 ○涪翁:東漢針灸學家。因常釣魚於涪水(今屬四川),被視為「乞食人間」,故稱涪翁。遇有疾者,即下針石,輒應時而效。乃著『針經』,又著『診脈法』,惜皆佚。弟子程高傳其術。 ○𠋩:「復」の異体字。 ○後漢:東漢的別名。 ○涪水:在四川平武縣東。〔唐書地理志〕江油縣有涪水關。 ○時人:當時的人;同時代的人。 ○莫知能識:「莫之能識」の誤りとして解しておく。 ○不限:沒有限制。 ○貴賤:身分地位的高低。 ○磨踵:【磨踵滅頂】不顧自身損傷,仍不辭辛勞,為人服務。 ○𧧂:「診」の異体字。 ○初:往昔;当初 [in former times,in the past;before]。その昔。 ○廣漢:漢置。治梓潼。卽今四川梓潼縣治。後漢徙治雒。即今四川廣漢縣。晉徙廣漢郡治廣漢。在今四川遂寧縣東北。尋還後漢舊治。北周廢。 ○程髙:040を参照。/「高」の異体字。 ○服膺:伏膺。信服;歸心。謂從學,師事。 ○禁方:祕密的醫方。珍秘的藥方或其他配方。
○『後漢書』卷八十二下 方術列傳第七十二下/郭玉:郭玉者,廣漢雒人也。初,有老父不知何出,常漁釣於涪水,因號涪翁。乞食人閒,見有疾者,時下針石,輒應時而效,乃著針經、診脉法傳於世。弟子程高尋求積年,翁乃授之。高亦隱跡不仕。玉少師事高,學方診六微之技,陰陽隱側之術。
○『醫說』卷一・三皇歷代名醫・涪翁:「涪翁者,不知姓名。釣於涪水,因號涪翁。精於醫術,所治病不限貴賤,皆磨踵救之,而不求其報。甚為當代所重(『後漢書』)」。
○『醫說』卷一・三皇歷代名醫・程高:「程高,廣漢人也。性好經方,問道無倦。有一藝長於己者,必千里伏膺,聞涪翁善醫術及針經診脈法,尋求積年,竟乃得之,擅名當代,為太醫丞(『後漢書』)」。
識典古籍*******************************************************
淺翁針經,叔和脉訣。 ★「淺」は「涪」の誤読。
【AI譯文】
浅翁的『针经』,王叔和的『脉诀』。
【AI 1】浅翁の『針経』、王叔和の『脈訣』。
【AI 2】浅翁の『鍼経』、王叔和の『脈訣』。
漢書:涪翁者,不知其姓名,復何郡人。
【AI譯文】
『汉书』记载:涪翁,不知道他的姓名,也不知道是哪个郡的人。
【AI 1】『漢書』によると、涪翁という人物の姓名や出身地は不明である。
【AI 2】『漢書』によれば、涪翁という人物がいたが、本名も出身地の郡もわかっていない。
後漢時,釣於涪水,時人莫知能識,因號涪翁焉。
【AI譯文】
后汉时期,他在涪水钓鱼,当时没有人知道他的名字,于是就称他为涪翁。
【AI 1】後漢時代、彼は涪水で釣りをしていたが、誰も彼の本名を知らなかったため、「涪翁」と呼ばれた。
【AI 2】後漢時代、彼は涪水で釣りをしており、当時は名前が知られていなかったため、「涪翁」と呼ばれていた。
於術所治病,不限貴賤,皆磨踵救之,而不求報。
【AI譯文】
于术救治的病人,不分贫富贵贱,他都不辞辛劳地去救治,并且不谋求回报。
【AI 1】彼は医術によって病人を救い、貧富や身分の区別なく、疲れを厭わず治療を行い、報酬を求めることはなかった。
【AI 2】彼は治療において、貧富や身分の高低を問わず、苦労をいとわずに救いの手を差し伸べ、見返りを求めることもなかった。
著針經,診脉之法,甚爲當代所重,後莫知所之。
【AI譯文】
著有『针经』,其中论述的诊脉方法,很受当代重视,后来不知道他的去向。
【AI 1】彼は『針経』を著し、そこに記された脈診の方法は当時非常に重視された。しかし、後に彼の行方は分からなくなった。
【AI 2】彼の著作『鍼経』では、脈診の方法について論じており、当時の人々から高く評価されていた。その後、行方はわからなくなった。
初,廣漢程高服膺事之,乃得其禁方。
【AI譯文】
当初,广汉的程高诚心诚意地侍奉他,于是得到了他的秘方。
【AI 1】かつて広漢の程高は彼を誠心誠意もてなし、その結果、彼の秘伝を授かったという。
【AI 2】かつて、広漢の程高が誠意をもって彼に仕えたため、秘伝の処方を授けられたという。
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