2017年10月1日日曜日

仮名読十四経治方 〔翻字〕49 

廿六 草度の方(ほう)
下二十七オモテ
血気形(きょう)志篇に曰く、背の兪を知(しら)んと欲せば、先(まづ)其(その)両乳(ち)の間を度(はか)り、中(なか)にこれを折り、更に他の草を以(もつ)て度り、半(なかば)を去(さり)已(おわ)り、即ち両(りょう)隅(すみ)を以(もつ)て相(あい)柱(ちゅう)すといへり。
〔『素問』血氣形志篇第二十四:「欲知背兪、先度其兩乳間、中折之、更以他草度、去半已、即以兩隅相拄也」。〕
△両乳(ち)を度(はか)るに古(いに)昔(しえ)は細長き草を以て量(はかり)しなり。今は蝋(もと)縄(ゆい)を用ゆ。便利なる故なり。蝋(もと)縄(ゆい)を以て両乳(ち)の間(あいだ)を量り、是(これ)を八寸と定む。偖(さて)八寸の尺(たけ)を真中(まんなか)より折(おら)ば、偏々(かたかた)四寸となるなり。【図は省略す。国会デジタルを参照】
八寸の蝋(もと)縄(ゆい)を二つに折(おれ)は、偏々(かたかた)四寸づゝになるなり。図、上(かみ)のことし。
下二十七ウラ
更に他の草を以て度(はかる)とは、改めて別に外(ほか)の蝋縄を以て前(まえ)の中(なか)に折る四寸の尺(たけ)にくらべ、是(これ)をも又四寸とす。図、左(ひだり)のごとし。
  【図は省略す。国会デジタルを参照】
更に別の尺(たけ)を以て前の偏(かた)々四寸にくらべはかり取(とる)なり。
半(なかば)を去(さり)已(おわ)るとは、右の四寸の尺(たけ)を又真中(まんなか)より二つに折(おる)なり。二つに折(おれ)は二寸となる偏(かた)々捨(すて)て二寸を取(とる)。故に半(なかば)を去(さる)と云(いう)。
  【図は省略す。国会デジタルを参照】
上(か)み二寸を切(きり)捨(すて)、下(しも)二寸をもちゆ。
  【図は省略す。国会デジタルを参照】
此(この)二寸の尺(たけ)を以て法とし、紙を四角
下二十八オモテ
に切(きり)て二寸四方となす。是(これ)を筋(すじ)違(かい)に折(おり)、角(すみ)と角(すみ)と重(さかね)合(あわ)せて三角(さんかく)鱗(うろこ)の象(かたち)となすなり。即ち両隅(すみ)を以て柱(ちゅう)すとは、是(これ)を云(いう)なり。隅(ぐう)とは角(すみ)なり。四角の紙を角(すみ)と角(すみ)とを合(あわ)すれは、三角となる。是(これ)形を柱(ちゅう)すという。図、左(さ)のごとし。
  【図は省略す。国会デジタルを参照】
此(この)二寸の紙を法とし、是(かく)の如く二寸四方に紙を截(たつ)なり。
  【図は省略す。国会デジタルを参照】
二寸四方の紙を図の如く筋(すじ)違(かい)に折(おる)なり。是(これ)を斜(ななめ)に折(おる)といふ。是(これ)上(かみ)にいふ処(ところ)の角(すみ)と角(すみ)を合(あわ)する也(なり)。
下二十八ウラ
  【図は省略す。国会デジタルを参照】
三隅(みすみ)の象(かたち)
 隅は角(かく)なり。三隅とは三角(さんかく)なり。上(か)みの筋(すじ)違(かい)に折(おり)たる此(かく)のことき三角になり、鱗(うろこ)形(かた)のごとく琴柱(キンヂュウ/ことぢ)に似たり。経文の柱(はしら)の字ば【ママ】是(この)義(ぎ)なり。
右の三隅(みすみ)の象(かたち)をあげて以て背を量る。上(か)みの尖(とが)りを大椎(だいずい)に当(あで【ママ】)、下(しも)の両傍(りょうほう)の尖り、便ち背の二行(にこう)にあたるなり。図の如し。
  【図は省略す。国会デジタルを参照】
下(しも)両隅の端に点(しる)す。両兪、相去(さる)こと全く三寸なり。これ、背兪(はいゆ)扁(へん)と相(あい)合(ごう)す。

0 件のコメント:

コメントを投稿