2012年2月22日水曜日

『醫説』鍼灸 關聯史料集成 14 鍼急喉閉

於大指外邊指甲下根、齊鍼之、不問男女左右、只用人家常使鍼。鍼之令血出、即效。如大叚危急、兩手大指都鍼之。其功甚妙。(庚志)

【倭讀】
大指の外邊 指甲の下根において、齊(ひと)しく之れを鍼す。男女、左右を問わず、只だ人家に常に使う鍼を用いる。之れに鍼して、血をして出ださしめば、即效あり。如(も)し大叚危急ならば、兩手の大指都(すべ)て之れに鍼す。其の功 甚だ妙なり。(庚志)

【注釋】
○急喉閉‥病證名。見《儒門事親》卷四。 ①系指咽喉腫起、喉道閉阻的病證。多由肝肺火盛、復感風寒或過食膏粱厚味而成。治宜疏散外邪、消腫解毒、方用普濟消毒飲。膿成時可刺破排膿、外吹冰硼散、或刺少商、合谷穴出血。 ②喉痹的別稱。本病類今之咽后壁膿腫、扁桃體周圍膿腫等。 ③飛蛾喉的別稱。
○大指‥①拇指。②足大趾。
○外邊‥外面、外頭。
○指甲‥手指或腳趾尖上所生的角質物。[nail] 亦泛指指爪。/甲‥手指、腳趾上的角質硬殼。[skin][shell] 甲殻。
○下根‥下面的根。
○齊‥平整、整齊。
○不問‥不計較、不管。
○只‥但、而。
○用‥行使、施行。
○人家‥家庭。
○即‥立刻。
○效‥功用。徵驗。
○如‥假若。
○叚‥「假」字に通ず。ここでは「段」字の異体。/大段‥おおむね。
○危急‥危險急迫。
○都‥皆。概括全部的意思。
○功‥成效。
○甚‥很、非常。
○妙‥神奇、奇巧。
○庚志‥《夷堅志》。巻数ではなく,十干で甲志・乙志のように表記する。宋代志怪小說集。作者洪邁(一一二三~一二〇二)。字景盧、別號野處。鄱陽(今江西鄱陽縣)人。紹興十五年(一一四五)進士、官至端明殿學士。撰有《容齋隨筆》等書。いま、『夷堅志』に見えない?

1 件のコメント:

  1. 疾病に応じて異常反応を起こすポイントが有って、そのポイントの異常を鍼で是正できれば、疾病自体も治まる。この喉と大指外辺にして指甲下根の関係であれば、両者をつなぐものは血脈であったかも知れない。しかし、どうしてそんな迂回路が効果を発揮できたのかとか、そんな効果を血脈には負わせないとかと考えたときに、経脈なるものが発想されたのではあるましか。

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