2016年5月15日日曜日

森鷗外の『渋江抽斎』を取り上げる本

『お言葉ですが… 別巻3漢字検定のアホらしさ (改訂版)』 高島 俊男 連合出版
若き和辻哲郎の期待と失望:抽斎がその生涯において心血を注いだのは『経籍訪古志』である。ところが……その抽斎の畢生の作の内容や価値についてふれるところがない。……それで『経籍訪古志』の話はちっともしないで,抽斎は角兵衛獅子が好きだったとかフロフキダイコンが好きだったとかいった話ばかりしている……。考証というのは碁将棋のようなもので,いくら脳髄をしぼっても国家民族の役には立たない。そのかわり当人にとっては無上におもしろい。やり出したらやめられない。「そんなことをやって何になる?」という問いとは無関係なのである。……

『ことばの散歩道4 甚ダシクハ解スルヲ求メズ』 上野 恵司 白帝社
2 鴎外『渋江抽斎』と『即興詩人』(渋江抽斎「不求甚解」を愛した先達/ 「不求甚解」とは言いながら/
 わたくしはこの作品に中学生の頃に一度挑戦して,わずか数頁で投げ出した。……

 上野さんによる「漢字検定」ならぬ「鷗外語彙検定」
①錶 ②火伴 ③汗衫 ④招牌 ⑤無花果 ⑥天鵞絨 ⑦打扮 ⑧強人 ⑨赤条々 ⑩早晩 ⑪許多 ⑫麪包 ⑬萊菔 ⑭光景 ⑮臥房
 正解は,123頁にある。

1 件のコメント:

  1. ①とけい ②なかま ③はだぎ ④かんばん ⑤いちじく ⑥びろうど ⑦いでたち ⑧わるもの ⑨はだかんぼう ⑩おそかれはやかれ ⑪たくさん ⑫ぱん ⑬すずしろ ⑭ありさま ⑮ベッドルーム

    一歩ずらして答えたかったけど,残念ながら語彙力不足でした。
    そもそも現在通行の『渋江抽斎』とか『即興詩人』のルビって,鴎外が振ったんですか。一般に著者が振るものなんですか。ちょっと信じ難いような,無茶苦茶なのも有るんですが。

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