2019年11月14日木曜日

医学古典文献電子書斎術(1)

貴重書資料公開Webサイト


「Google」などで『素問』『霊枢』『難経』『十四経発揮』など医学文献の貴重書を見たいと思い検索すると、まず出てくるのは書籍販売の宣伝だと思います。
なかなか思ったところに行き着かない、それが現実です。

まず、貴重書資料公開Webサイトがあるということを知ってもらいたい。そこを押さえておけば無駄な時間を使わないで済みます。
国立国会図書館、国立公文書館内閣文庫、国文学研究資料館、早稲田大学図書館など全国の公共図書館、大学図書館で貴重書が公開されています。

その中で特に注目したのは、昨年(2018年)4月、京都大学附属図書館が所蔵する医学分野の貴重資料コレクション「富士川文庫」全点の電子画像が公開されたことです。
約5,000点にのぼる医学書です。とんでもない厖大な資料です。
それらの資料を100%有効利用するための方法を実際のホームページを見ながら紹介していきます。

その前に医学書とは別ですが、令和になり万葉集の話が話題になっているので、その資料を見てみたいと思います。
 「初春の令月にして気淑(よ)く風和ぎ、……」の資料です。
まず京都大学貴重資料デジタルアーカイブ(https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/)を見てみます。
トップページには、

「新元号〈令和〉の出典、万葉集の画像をご覧いただけます。新元号〈令和〉の出典は万葉集「梅花の歌三十二首」です。京都大学附属図書館が所蔵する『[曼朱院本]萬葉集』のデジタル画像をぜひご覧ください。」

と紹介されています。
『[曼朱院本]萬葉集』という文字にリンクがされていて、マウスでクリックすれば万葉集のページに飛びます。
しかし全849ページ(849枚の画像)のどこに「梅花の歌三十二首」があるのか分かりません。
実はここの191ページにあるのですが、ホームページにはその情報がありませんので探すのに相当時間を要します。
わたしはどうしたかというと、検索サイト「google」で、「万葉集 梅花の歌は巻のいくつ」という検索文字を入れ調べました。
5巻にあることが分かり、再度、京都大学の万葉集のページを開き、巻5から調べていきました。
巻号だけは1巻から20巻までリンクがありましたから、頭から調べていかないですみました。
できることならば「梅花の歌三十二首」に「191ページにあり」と情報のメモ書きを入れておいてくれるか、「梅花の歌三十二首」の文字に
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00013506#?c=0&m=0&s=0&cv=190
というリンクを入れてもらえれば、一瞬でそのページを見ることができます。
Webデザイナーの仕事は大変な作業と思いますが、画像公開だけで完了にしないで、「目次項目」とその「ページ」を表記してくれるだけでもありがたいのですが、それは今後の利用者の声次第と思います。


お断り:
この文を書いたのは令和元年5月ころの話です。現在(2019/11/14)は「梅花の歌三十二首」にリンクがされております。要望、意見があったのだと思います。

Web事業の担当者は需要がなければ無駄な仕事になると思い作業をしないと思います。
ですから皆さんがWebページにアクセスしてその貴重さ、有益性を数値(アクセス数)で示さなければならないといけないと思います。アクセス数はある意味で公開図書館の〈命〉かもしれません。

ちなみに、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)では、ここにあります。
梅花歌三十二首
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2544287/15

それでは、わたしが普段使うWebページをまとめてありますので紹介します。

常用Webサイト一覧


1) 国文学研究資料館
●新日本古典籍総合データベース
●国文研・デジタル公開所蔵者一覧表

2) 京都大学
 貴重資料デジタルアーカイブ(富士川文庫、近衛文庫、その他)
●富士川文庫

3) 早稲田大学図書館
●古典籍総合データベース

4) 国立公文書館
 デジタルアーカイブ
●内閣文庫

5) 国立国会図書館
●デジタルコレクション

6) 宮内庁書陵部
●書陵部所蔵資料目録・画像公開システム

7) 国立博物館所蔵
●国宝・重要文化財
東京国立博物館所蔵デジタルライブラリー


1)2)と、上から順番に検索していくと、ほぼ調べたい文献が見つかります。

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