赵京生 脏腑背俞穴与十二经脉关系再识 中国针灸2015年8月第35卷第8期
()内は,原注。〔〕内は訳注。
〔臓腑背兪:背部脊柱の両側体表に位置し,五臓六腑の生理・病理反応と密切な関係を有するいくつかの反応点(ツボ)。それらはみな臓腑の経気が輸注する場所である。すなわち,心兪・心包兪・肺兪・肝兪・脾兪・腎兪・胆兪・胃兪・膀胱兪・三焦兪・大腸兪・小腸兪。(百度百科) 教科書『新版経絡経穴概論』では「背部兪穴」という。〕
【要約】現行の理論では,臓腑背兪はすべて太陽膀胱経に帰属する。これは理論的に通じがたいだけでなく,鍼灸の臨床を効果的に指導することもできない。鍼灸理論の形成過程は、経脈の標本が五臓の背兪とそれに対応する経脈との関係を基本的に確立し,『千金翼方』によって豊かに発展したが,『外台秘要方』において太陽経に変えられて今に至る,ということを明らかに示している。この学術の変遷の過程と認識の基礎を分析し,背兪と経脈の関係を認識し,今日大切なことは,いかに既存の理論を選択するかであると考え,臓腑背兪十二経脈連係理論の学術的価値を掘り起こし,発揚し,その理論形式とそれに対応する構造関係を確立し,理論構築を完備し,臨床に対する指導性を高める。
【英文要約からの翻訳】論文名:背兪と十二経脈の関係についての再議論
現在の理論では,背兪は足太陰の膀胱経に分類されているため,解釈が難しく,臨床鍼灸の手引きとしては有効ではない。鍼灸理論の発展が示すところでは,背兪と対応する経脈との関係は,経脈のmanifestation〔標〕とroot cause〔本〕によって確立され,『千金翼方』(千金に値する処方の増補)ではさらに充実した内容になっているが,『外台秘要方』(帝国図書館の秘密の必需品)以来,背兪は足太陰の膀胱経に分類され,その影響は現在も残っている。このような学問的展開と理解の基礎を分析したのち,背兪と十二経脈の問題は,既存の理論をどのように選択するかという問題が提示されていると考えられる。背兪と十二経脈との関係という学問的価値を探究し,理論形式と構造関係を確立することを提案している。結果として,臨床治療の指針となる理論を完成させることができる。
【キーワード】臓腑背兪;足の太陽経;経脈標本;四街;内経;千金翼方;外台秘要方
臓腑背兪と経脈との関係は,変遷をへて現在では,背兪はみな足太陽膀胱経に帰経するようになった。その理論の欠陥は明らかであるが,それをはっきり認識して解決策を求めることは容易ではない。筆者は,多くの伝統的な鍼灸理論と同様に,学術の変遷を精しく分析することから始めなければならないと考えている。この論文は,この観点と方法をもちいて,先行研究[1]を踏まえた上で,さらに以下の様に検討する。
[1]贾杰,赵京生. 脏腑背俞主治与足太阳膀胱经之关系[J]. 中国针灸,2005,25(6):414-416.
〔趙京生主編『针灸关键概念术语考论』(人民衛生出版社,2012年,208頁)背兪も参照。〕
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