2025年9月5日金曜日

『歷代名醫蒙求』063-1

 華佗湔腸 李豹熨脇  華佗は腸を湔い 李豹は脇を熨(の)す (華佗・李豹)

    魏志華佗字元化沛國譙人也一名旉游

    學徐土兼通數經曉養性之術時人以爲

    年且百歳而貌有壯容又精方藥若病結

    積在内針藥所不能及當須刳割者便飲

    其麻沸散須㬰便如醉死無所知因破取

    病若在腸中便断腸湔洗縫腹膏摩四五

    日差不痛人亦不自寤一月之閒即平𠋩

    

  【訓み下し】063-1

    『魏志』:華佗,字は元化,沛國譙の人なり。一名は旉。徐土に游學し,數經に兼ね通ず。養性の術を曉(さと)る。時人以て年且(まさ)に百歲にならんとすと爲す。而るに貌に壯容有り。又た方藥に精(くわ)し。若し病 結び積んで內に在らば,針藥の及ぶ能わざる所,當に須からく刳割すべき者,便ち其の麻沸散を飲ましめば,須臾にして便ち醉死して知る所無きが如くし,因って破り取る。病 若し腸中に在らば,便ち腸を斷って湔洗し,腹を縫って膏もて摩して,四五日にして差(い)え,痛まず,人も亦た自ら寤(さと)らず,一月の間に即ち平復す。


  【注釋】

 ○魏志:054を参照。 ○華佗:華佗,後漢醫學家(?141-203年?)。字元化,一名旉,沛國譙(今安徽毫州)人。原為士人,但無心功名,以致當沛相及太尉舉薦時,皆不就。他學問淵博,遊學於各地,對醫學尤有精深的鑽研和成就。其醫術極精,治病輒效,方藥僅寥寥數種,針刺穴位也僅數穴,即可奏效。『三國志』華佗傳載其驗案數則,均效如桴鼓。他擅長外科,對軀體內部之疾患,如為手術適應症,則給「麻沸散」以酒沖服,使之無所覺而進行手術,可以去除腹內之污穢,切去有病之腸段及積聚,然後傅以藥膏,數日內即可平復如舊。華佗還善於養生,主張人體需適當勞動,但不使過度勞累。他創用「五禽之戲」,仿效虎、鹿、猿、熊、鳥的各種動作,活動肢體,使血脈流通,以求難老。其弟子吳普依法鍛煉,年九十而耳聰目明。他針刺技術高明,且提出針刺背脊雙側穴位治病之夾脊穴,至今猶為臨床上常用有效穴位。史載,華佗因不服曹操之命為其專職保健,後竟遭殺害。其記載之醫著有『枕中灸刺經』、『內事』、『觀形察色並三部脈經』、『華佗方』等,均未見傳世,據載均於華氏臨刑前燒毀。後世流傳之『中藏經』,署華氏所著,實為偽托之作。 ○旉:「敷」の異体字。 ○游:「遊」の異体字。 ○徐土:徐州。古九州之一。〔禹貢〕海岱及淮惟徐州。〔爾雅釋地〕「濟東曰徐州。」李巡曰。淮海間其氣寬舒。秉性安徐。故曰徐。徐、舒也。周合其地於青州。今江蘇舊徐州府及邳縣、山東舊兗州府、安徽之宿縣泗縣皆其地。漢亦置徐州。後漢徐州刺史治郯。故城在今山東郯城縣西南。三國魏徙治彭城。今江蘇銅山縣。 ○兼通:通曉數種學問或技藝。通曉不止一個方面。 ○曉:知道、明白。 ○養性:謂修養身心,涵養天性。養生。性,通「生」。道士修行的一種。靜處一室,屏去左右,澄神靜慮,也稱入靜。 ○時人:當時的人;同時代的人。 ○且:將、將要。將近,幾乎 [almost;nearly]。 ○歳:「歲」の異体字。 ○貌:長相、面容。如:「容貌」。 ○壯容:青壯年時的容貌。年輕美麗的容顏。 ○精:嫻熟、擅長。如:「精通」。 ○方藥:醫方與藥物。亦借指醫道,醫術。 ○内:「內」の異体字。 ○刳割:切割。 ○麻沸散:華佗創製的用於外科手術的麻醉藥。/麻沸散是中國最早的麻醉劑。公元2世紀中國已使用麻沸散為患者全身麻痹做開腹手術。 ○須㬰:片刻、暫時。短時間。/㬰:「臾」の異体字。 ○死:無知覺。毫無知覺,像死的樣子。 ○断:「斷」の異体字。 ○湔洗:洗滌。洗滌汙濊。 ○膏:肥肉、油脂。濃稠的糊狀物。如:「藥膏」。 ○摩:撫摸。 ○差:病癒。通「瘥」。 ○寤:覺悟、醒悟。通「悟」。 ○閒:「間」の異体字。 ○即:立刻。便、就。 ○平𠋩:復原。痊愈。/𠋩:「復」の異体字。

 ○『三國志』魏書二十九 方技傳第二十九/華佗:華佗字元化,沛國譙人也,一名旉。游學徐土,兼通數經。沛相陳珪舉孝廉,太尉黃琬辟,皆不就。曉養性之術,時人以為年且百歲而貌有壯容。又精方藥,其療疾,合湯不過數種,心解分劑,不復稱量,煮熟便飲,語其節度,舍去輒愈。若當灸,不過一兩處,每處不過七八壯,病亦應除。若當針,亦不過一兩處,下針言「當引某許,若至,語人」。病者言「巳到」,應便拔針,病亦行差。若病結積在內,針藥所不能及,當須刳割者,便飲其麻沸散,須臾便如醉死無所知,因破取。病若在腸中,便斷腸湔洗,縫腹膏摩,四五日差,不痛,人亦不自寤,一月之間,即平復矣。


識典古籍*******************************************************

魏志:華佗,字元化,沛國譙人也,一名敷,游學徐土,兼通數經,曉養性之術。

    【AI譯文】

『魏志』记载:华佗,字元化,是沛国谯地之人,还有一个名字叫敷,到徐州一带求学,同时通晓多种经书,知晓养生的方法。

    【AI 1】『魏志』によると、華佗(字は元化)は沛国譙の出身で、別名を敷といった。彼は徐州地方に赴き学問を修め、多くの経書に精通し、養生の方法を理解していた。

    【AI 2】『魏志』にはこう記されている:華佗(かだ)、字は元化(げんか)、沛国譙(はいこくしょう)の出身で、「敷(ふ)」という別名もあった。徐州一帯で学問を修め、さまざまな経書に通じており、養生の方法にも詳しかった。

時人以爲年且百歲,而貌有壯容,又精方藥。

    【AI譯文】

当时的人认为他将近一百岁了,却看起来像壮年,他又精通医方和药物。

    【AI 1】当時の人々は彼が百歳近いと考えていたが、その容姿は壮年のようであった。また、彼は医学や薬物の知識にも深く通じていた。

    【AI 2】当時の人々は、彼はすでに百歳近いと思っていたが、見た目はまるで壮年のようであった。彼は医方や薬物にも精通していた。

若病結積在内,針藥所不能及,當須刳割者,便飲其麻沸散,須臾便如醉,死無所知。

    【AI譯文】

如果病邪积聚在体内,用针灸和药物都无法达到治疗效果,必须通过手术来治疗的,就让病人饮下麻沸散,一会儿就像喝醉了一样昏迷不醒,失去知觉。

    【AI 1】もし病邪が体内に蓄積し、針灸や薬物では治療効果が得られない場合は、手術を施す必要があった。その際、患者に「麻沸散」を飲ませると、しばらくして酒に酔ったように昏睡し、感覚を失った。

    【AI 2】もし病邪が体内に蓄積し、鍼灸や薬では治療ができない場合には、手術によって治療を行った。まず患者に「麻沸散(まふつさん)」という薬を飲ませると、しばらくして酔ったように意識を失い、感覚がなくなる。

因破取病,若在腸中,便斷腸湔洗,縫腹膏摩,四五日,差不痛,人亦不自寤,一月之閒,即平復。

    【AI譯文】

于是开刀切除患处。如果病在肠子里,就切断肠子进行清洗,再缝合腹部,敷上药膏,四五天后,伤口不再疼痛,病人自己也没有知觉,一个月左右,就痊愈了。

    【AI 1】その状態で患部を切開して除去する。もし病が腸にあれば、腸を切開して洗浄し、腹部を縫合して薬膏を塗布する。四、五日ほどで痛みがなくなり、患者は何の異常も感じなくなり、およそ一か月ほどで完治したという。

    【AI 2】その後、患部を切開して取り除いた。もし病が腸にあれば、腸を切断して洗浄し、再び縫合して腹部に薬を塗った。4、5日で傷の痛みはなくなり、患者自身も痛みを感じず、1か月ほどで完治したという。

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