004 日月既短古今不同(東韻・平) 7
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日月既短、古今不同。
(千金方曰、或曰、古人用藥至少、分兩亦輕、差病極多、觀君處方、非不煩重、分兩亦多、而差病不及古人者、何也、荅曰、古者日月長逺、藥在土中、自養經久、氣味真實、百姓少欲、禀氣中和、感病輕微易為醫、今時日月短促、藥力輕虗、人多巧詐、感病厚重、難以為醫、故病輕藥味須少、病重用藥即多、此則醫之一隅、何足恠也、)
【訓み下し】
日月既短、古今不同。(日月既に短く、古今同じからず。)
『千金方』に曰わく、「或るひと曰わく、『古人は藥を用いること至って少なく、分兩も亦た輕くして、病を差(い)やすこと極めて多し。君の處方を觀るに、煩重ならざるに非ず、分兩も亦た多し。而(しか)るに病を差(い)やすこと古人に及ばざるは、何ぞや』と。答えて曰わく、『古(いに)者(しえ)は日月長遠にして、藥は土の中に在り、自(おのずか)ら養うこと久しきを經(へ)、氣味真(まこと)に實す。百姓は欲少なく、稟(うまれ)氣(つき) 中和なれば、病に感ずるも輕微にして醫を為すこと易(やす)し。今時は日月短促にして、藥力は輕く虛(よわ)く、人は巧(いつ)詐(わり)多ければ、病に感ずれば厚く重く、以て醫を為すこと難し。故に病輕ければ藥味須(もち)いること少なく、病重ければ藥を用いること即ち多し。此れ則ち醫の一隅、何ぞ怪しむに足らん』と」。
【注釋】
日月既短、古今不同。
○千金方:『備急千金要方』卷一・用藥第六:「或曰:古人用藥至少,分兩亦輕,差病極多,觀君處方非不煩重,分兩亦多,而差病不及古人者何也?荅曰:古者日月長逺,藥在土中,自養經久,氣味真實,百姓少欲,禀氣中和,感病輕微,易為醫療,今時日月短促,藥力輕虚,人多巧詐,感病厚重,難以為醫,病輕用藥須少,痾重用藥即多,此則醫之一隅,何足怪也」。
○分兩:一分一兩。謂分量,輕重。 ○輕:分量小。與「重」相對。數量少。 ○差:病癒。通「瘥」。 ○君:對人的尊稱。 ○處方:給病人開藥方。藥方。【處方箋】醫生診斷完畢後,開給病患的藥單。 ○非不:非常;極其。 ○煩重:繁多而沉重。冗長而重複 ○不及:比不上。不如。 ○古人:古代的人。古時的人。 ○荅:「答」の異体字。 ○古者:從前。過去的時代。 ○日月:時光、光陰。 ○長逺:長久。/逺:「遠」の異体字。 ○經久:長久。耐久、持久。 ○氣味:氣味即性味,包括藥氣和藥味。即指藥物寒、熱、溫、涼四氣和辛、甘、酸、苦、鹹五味的基本屬性。 ○真:純正的、不虛假的。的確、實在。 ○實:充足、富裕。 ○百姓:泛指一般平民、國民。人民;民眾。 ○禀氣:人先天的體質。天賦的氣性。漢 王充《論衡‧氣壽》:「人之稟氣,或充實而堅強,或虛劣而軟弱」。/禀:「稟」の異体字。 ○中和:儒家以中正平和為中庸之道的精神修養。後亦泛指平衡穩定、不受干擾的狀態。/中庸之道的主要內涵。儒家認為能「致中和」,則天地萬物均能各得其所,達於和諧境界。《禮記.中庸》:「喜怒哀樂之未發,謂之中;發而皆中節,謂之和。……。致中和,天地位焉,萬物育焉」。 ○感:接觸、引起。感染,感受。多用于疾病 [infect;be affected by]。 ○短促:時間短暫而急迫。 ○藥力:藥物的功效、效力。 ○虗:「虛」「虚」の異体字。虚弱 [weak]。 ○巧詐:奸巧詭詐。機巧詐偽。いつわり、あざむき。 ○藥味:中醫所用藥物的總稱。方劑中所使用的藥物種類。藥品的氣味。 ○須:用。需要、需求。 ○一隅:指一個角落。亦泛指事物的一個方面。《論語‧述而》:「舉一隅不以三隅反,則不復也」。 ○何足:猶言哪裡値得〔価値がある〕。足りない。晉 干寶《搜神記》卷一六:「穎心愴然,即寤,語諸左右,曰:夢為虛耳,亦何足怪」。 ○恠:「怪」の異体字。驚訝、疑忌。
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