2021年6月27日日曜日

解讀『醫家千字文註』006 

006 下牀星歩制禄歳終(東韻・平) 8 三オモテ

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下牀星歩、制禄歳終。

(孫眞人養生銘曰、平明欲起時、下床先左脚、一日無災殃、去邪兼避惡、如能七星歩、令人長壽樂、 周禮醫師掌醫之政令、凡有疾病者、分而治之、歳終則稽其醫事、以制其食、注云、食禄也、)


  【訓み下し】

下牀星歩、制祿歲終。(牀(ねどこ)より下(お)りて星歩し、祿を制(き)めて歲終わる。)

孫眞人の『養生銘』に曰わく、「平明に起きんと欲する時、床(ベツド)より下りるに左脚を先にすれば、一日 災殃無し。邪を去り兼ねて惡を避くるに、如(も)し七星歩を能くすれば、人をして長壽を樂しましむ」。

『周禮』に、「醫師は醫の政令を掌る。凡そ疾病有る者は、分けて之を治す。歲終われば則ち其の醫事を稽(かんが)え、以て其の食を制す」。注に云う、「食とは、祿なり」。


  【注釋】

○牀:「床」の異体字。坐臥的器具。

 ○孫眞人養生銘曰:孫眞人『養生銘』:「平明欲起時,下床先左脚。一日無災殃,邪兼避惡。如能七星步,令人長壽樂」。許浚『東醫寶鑑』內景篇・身形・先賢格言,明・徐春甫『古今醫統大全』卷九十九・養生餘錄上・旦暮避諱や竹田昭慶『延壽類要』坤・行壯修用篇(一部),などにも引用される。/孫眞人:【孫思邈】(西元?~682)唐華原(今陝西省耀縣東南)人,生年不詳。隱居於世,通百家之學,兼擅醫學,俗奉為藥王。著有《千金要方》九十三卷。〔たとえば四庫全書所収本は,93巻本。〕/眞人:宋・徽宗敕封孫思邈為「妙應真人」,明清時期被尊稱為「藥王」。 ○平明:猶黎明。天剛亮的時候。 ○災殃:災禍、災害。災難;禍殃。 ○七星歩:大禹七星步。禹步是道士在禱神儀禮中常用的一種步法動作。傳為夏禹所創,故稱禹步。因其步法依北斗七星排列的位置而行步轉折,宛如踏在罡星斗宿之上,又稱「步罡踏斗」。 

 ○周禮醫師掌醫之政令:『周禮』天官冢宰:「醫師:掌醫之政令,聚毒藥以共醫事。凡邦之有疾病者、疕瘍者造焉,則使醫分而治之。歲終,則稽其醫事,以制其食:十全為上,十失一次之,十失二次之,十失三次之,十失四為下」。注:「食,祿也。全猶愈也。以失四為下者,五則半矣,或不治自愈」。 ○疾病者:『周禮註疏』疏:「疾病者付疾醫,疕瘍者付瘍醫,故云分而治之」。 ○分而治之:『周禮註疏』疏:「醫各有能」。 ○歲終:『周禮註疏』疏:「謂至周之歲終」。 ○稽:『周禮註疏』疏:「稽,古兮反,考也」。考證、考核、査考。 ○其醫事:『周禮註疏』疏:「謂疾醫等歲始已來,治病有愈有不愈,並有案記。今歲終總考計之,故言稽其醫事」。 ○以制其食:『周禮註疏』疏:「據所治愈不愈之狀而制其食祿,而制五等之差」。/制:決斷、裁決。 ○食禄也:『周禮註疏』疏:「釋曰:食即月俸,故以祿解食。依《序官》,疾醫中士,瘍醫下士。案《禮記·王制》:下士視上農夫,食九人祿;中士倍下士,十八人祿。若然,中士祿食有常,今差為五等者,但功適中者守本祿,功高者益之,功下者損之,欲勉勵醫者,故為此五等之差」。/祿:俸給、官俸。

 

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