002 陽營陰衞右強左聦(東韻・平) 一オモテ
6 https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100253551/viewer/6
陽營陰衞、右強左聦。
(八十一難經曰、其清者為榮、濁者為衛、榮行脉中、衛行脉外、 丁德用曰、夫人之生、禀天真之氣後飲穀食入胃、傳於五藏六府、化為精血、其精血各有清濁、其精中清者歸肺、以助天眞、其濁者堅強骨髓、故血中之清者歸心、榮養於神、血中之濁者、外華於肌肉、而清者行於脉内、濁者行於脉外、而衛者衛護之義也、 楊玄操曰、營亦作榮、榮者榮華之義也、言人百骸九竅、所以得榮華者、由此血氣也、營者經營也、言十二經脉常行不已、經紀人身、所以得長生也、二義皆通焉、 太素經曰、天不足西北、故西方隂也、而人右耳、不如左明也、地不滿東南、故東方陽也、人左手足、不如右強也、又云、東方陽也、其精并上、故上明而下虗、故使耳目聦明、而手足不便也、)
【訓み下し】
陽營陰衛、右強左聰。(陽は營 陰は衛、右は強く左は聰(みみさと)し。)
『八十一難經』に曰わく、「其の清なる者は榮と為り、濁なる者は衛と為る。榮は脉中を行き、衛は脉外を行く」。
丁德用曰わく、「夫(そ)れ人の生は、天真の氣を稟(う)けて、後に飲〔水〕穀食 胃に入り、五藏六府に傳わり、化して精血と為る。其の精血 各々清濁有り。其の精中の清なる者は肺に歸して、以て天眞を助く。其の濁なる者は骨髓を堅強にす。故に血中の清なる者は心に歸して、神を榮養す。血中の濁なる者は、外 肌肉を華にす。而して清なる者は脉内を行き、濁なる者は脉外を行く。而して衛は衛護の義なり」。
楊玄操曰わく、「營は亦た榮に作る。榮は榮華の義なり。言うこころは人の百骸九竅、榮華を得る所以(ゆえん)の者は、此の血氣に由るなり。營は經營なり。言うこころは十二經脉 常に行きて已(や)まず、人身を經紀し、長生を得る所以なり。二義皆な通ず」。
『太素經』に曰わく、「天は西北に足らず。故に西方は陰なり。而して人の右の耳〔目〕は、左の明なるに如(し)かず。地は東南に滿たず。故に東方は陽なり。人の左の手足は、右の強きに如かず」。
又た云う、「東方は陽なり。其の精は上に幷(あつ)まる。故に上(かみ)は明にして下(しも)は虛す。故に耳目をして聰明ならしめ、而して手足は便ならず」。
【注釋】
陽營陰 ○衞:「衛」の異体字。 ○聦:「聡」「聰」の異体字。
○『八十一難經』曰:『難經』三十難:「其淸者爲榮、濁者爲衛、榮行脉中、衛行脉外、榮周不息、五十而復大會」。 ○榮:榮氣。血氣。漢 張仲景 《傷寒論‧太陽病中》:「假令尺中遲者,不可發汗。何以知之然?以榮氣不足血少故也」。 ○衛:衛氣。為人體中飲食水穀所化生之精氣,具有保衛肌表、抗禦外邪的作用。 ○榮行脉中、衛行脉外:榮指血的循環,衛指氣的周流。榮氣行於脈中,屬陰,衛氣行於脈外,屬陽。榮衛二氣散布全身,內外相貫,運行不已,對人體起着滋養和保衛作用。
○丁德用曰:三十難・丁德用注:「夫人之生、禀天真之氣、後飮水榖食入胃、傳於五藏六府、化爲精血、其精血各有淸濁、其精中淸者、歸肺以助天真、其濁者堅強骨髓、故血中之淸者歸心、榮養於神、血中之濁者、外華於肌肉、而淸者行於脉肉、濁者行於脉外、而衛者衛訣之義也」。 ○夫:文言文中的發語詞,表提示作用。 ○禀:「稟」の異体字。承受。 ○天真之氣:『素問』上古天真論:「二七而天癸至,任脉通,太衝脉盛,月事以時下,故有子」。王冰注:「腎氣全盛,衝任流通,經血漸盈,應時而下,天真之氣降,與之從事,故云天癸也」。 ○飲:『難經集注』、このあと「水」字あり。 ○華:繁盛。 ○護:『難經集注』丁德用注は「訣」に作る。難解。 ○楊玄操曰:三十難・楊玄操注:「營行、作榮。榮者、榮華之義也。言人百骸九竅、所以得榮華者、由此血氣也。營者、經營也。言十二經脉常行不已、經紀人身、所以得長生也。二義皆通焉。衛者護也」。○營:營氣是行於脈中而具有營養作用的氣。因其富有營養,在脈中營運不休,故稱之為營氣。由於營氣在脈中,是血液的重要組成部分,營與血關系密切,可分不可離,故常常將「營血」並稱。營氣與衛氣從性質、功能和分布進行比較,則營屬陰,衛屬陽,所以又常常稱為「營陰」。 ○百骸九竅:指整個軀體和所有器官。/九竅:七竅及排尿口、肛門的合稱。/指耳、目、口、鼻及尿道、肛門的九個孔道。《史記.卷一○五.扁鵲倉公傳》:「五藏不和,則九竅不通」。《周禮‧天官‧疾醫》:「兩之以九竅之變」。鄭玄注:「陽竅七,陰竅二」。 ○經營:往來迴旋。 ○已:停止。 ○經紀:經營管理。通行。條理;秩序。
○『太素經』曰:『黄帝内經太素』卷三・陰陽大論:「天不足西北、故西方陰也、而人右耳目、不如左明、地不滿東南、故東方陽也、人左手足、不如右強也」。楊上善注:「夫天地者、形之大也。陰陽者氣之大也。大形而生万形、則大形以為父母、万形為子也。故大形有所不足而生万物、万物不可足也。故人頭法天、則右耳目聰明不足也。手足法地、故左手足便強不足也。以其天陽不足西北、地陰不足東南故也」。 ○隂:「陰」の異体字。 ○耳:『太素』このあとに「目」字あり。 ○地不滿東南:《天文訓》天文訓:「昔者共工與顓頊爭為帝,怒而觸不周之山。天柱折,地維絕。天傾西北,故日月星辰移焉;地不滿東南,故水潦塵埃歸焉」。 ○又云:『黄帝内經太素』卷三・陰陽大論:「岐伯荅曰:東方陽也、其精并上、故上明而下虛、故便耳目聰明而手足不便也」。 ○并:「幷」の異体字。 ○虗:「虛」「虚」の異体字。 ○使:『太素』は「便」(に見える)。『素問』は「使」。
0 件のコメント:
コメントを投稿