2010年11月10日水曜日

やんぬるかな

むかし,高名な中国文学者が企画し,その弟子筋の高名な中国文学者が翻訳を完成させた『宋史』日本国が,何年かの間をおいて再刊されたそうな。よかったね。
その中の「黄・軒」に注して「古代の聖王」は良いとして,「黄帝軒轅氏」とは,いかがなものか。黄帝即ち軒轅氏ではなかったか。
さらに,「船火児」に注して「船乗り。火児は不明。あるいは肥後か」には,噴飯である。先生がた,肥後の阿蘇山は御存じらしいが,『水滸伝』はお好きではないらしい。『水滸伝』には,綽号「船火児」の張横なるものが百八人の豪傑の一人として登場する。船頭を「船火児」つまり「船伙児」(伙は仲間)と称することくらいは,中国俗文学ファンなら常識ではないのか。

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