6-6宮門流針書
武田科学振興財団杏雨書屋所蔵『宮門流針書』(乾3721)
オリエント出版社『臨床鍼灸古典全書』6所収
読みやすさを考慮し,読点を付けた。一部の文字の読みに疑念あり。◆は判読できず。()内は意味をはっきりさせるための補足。神文は起請文の意。
宮門流針書
神文之事
一今度拙者義、御流儀針治法懇望ニ付、御傳法御願申上候處、
御傳法被成下、難有仕合ニ奉存候
一御傳法之秘事、たとひ親子兄弟たり共、猥りニ語り申間敷候
一御傳法之後者、親兄弟親類之跡を堅ク相守り、忠孝
第一ニ可仕候事
一御傳法之後、儀を堅く相守可申事、若不儀成事出來仕
候ハヽ、何時ニ而も御破門被成候而も、少シも恨申間敷候事
一他流之批判、堅く仕間敷候、尚又自慢仕間敷候事
一平生行儀正く、言葉遣正きれいに、慇懃ニ仕候、諸人
一ウラ
様方ニ謙り、親子兄弟妻子ハ勿論、諸人むつましく
可仕候事
一針治之節ハ、平生心安き人たり共、少シもたハむれ言
葉心安立、并新請仕間敷候、尤貧賤之人、女子婦人
ニ對し、戲言申間敷候、勿論行義正敷可仕候事、平生たし
なミ申事也
一貧賤之人を大切ニいたし、何時ニ限らす、療治いたし
可遣事
一治術之義、日々修行仕候而、達道之御人ニと(問)ひ奉り
出情(精)可仕候事
一子下ケ針仕間敷候事
二オモテ
一師家之掟、堅可相守候事
一針治之節ハ、別而行義を正しく可仕候、勿論行義
不正してハ、針治不出、且又師家之掟ニ相叶不申候
平生立居ニ而も、針治之節◆◆如く正敷坐◆ぬ
申也、針治不限、諸藝術皆々如此ニ候、行義不
正人にハ、秘針傳受、堅く無用たるべし、尚又十四
經覺不申候也
同日
右之條々於相背者、日本大小神祇可蒙
御罪者也、仍而神文如件
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