2011年1月11日火曜日

あかいか しんえか

『黄帝内経太素』巻十一の気府に「行五,五五廿五」云々とあって、新校正は楊上善注に「亞會」というのをあげて、「亞」は古「囟」字の誤りと指摘しています。でも、原鈔に書かれているのは本当に「亞」ですかね。微妙に異なると思いますが。勿論、銭先生の出任せではないんですよ、その形は『敦煌俗字典』などにも「亞」字として載っています。
でもねえ、『医心方』の巻二の孔穴主治法の頭上の第一行の第一穴はこんな字なんです。これってもともと「囟」の異体字なんじゃなかろうか。といっても、こんなのは異体字典にも見つからないけれど。
欄外に『玉篇』が引いてある。改めて『玉篇』をひもとけば、囟部四十三に「囟 先進切 説文云象人頭會 腦蓋也 或作顖𦞤」とあります。欄外と同じですね。
だからこれはもともと「囟會」であったものを、誰かが「亞會」と誤ったのかもしれない。少なくとも『医心方』の筆者は「囟會」のつもりでいる。でも、『太素』の筆者はすでに「亞會」と思っているかも知れない、といったところですかね。

0 件のコメント:

コメントを投稿