2017年8月22日火曜日

仮名読十四経治方 〔翻字〕19

十六 脚気門
脚気の論は、孫真人尽(つく)せり。外臺(げだい)に曰く、飲食の毒(どく)自然(しぜん)に丹田に滞りて致すところなり、と。
△予(よ) 是を以(もっ)て為(おも)次(えら)く、独(ひと)り脚気の繁華(はんか)に多きは、厚味(こうみ)の物(もの)の毒するがゆへなり。穀醬(こくしょう)塩噌(えんそ)の類(たぐ)ひ都(すべ)て美味に制(せい)したれば、其(その)味(あぢ)厚くして、胃中に入(い)り、銷散し易(やす)からず。素(もと)より動作(トウサ/はたらき)少なき人(ひと)に多きは、厚味(こうみ) 胃中に鬱濛(うつもう)して、食毒 自然(しぜん)に積み、動気(どうき)
〔原文は「是」字に「よ」とふりがながある。本来は「予」のわきにあるべきである。また「為次」にある「おもへらく」という振り仮名、未詳。「以為」は「おもへらく」と訓ずる。「次」と「以」のくずし字は似ているので、「次」は「以」の誤字ではないかと疑う。
・穀醬塩噌:醤(ひしお):ペースト状の調味料、あるいは味の濃い食品の総称である。日本では食品を麹と食塩によって発酵させて製造した調味料または食品と認識される。現代日本語で醤(ひしお)と呼ぶ場合、液状の調味料のみを指すことが多い。なお「醤」の字体は印刷標準字体では「醬」つまり上部が將であり、「醤」は簡易慣用字体である。wikipedia./穀醤(こくしょう):大豆などの穀類を原料とする発酵調味料。日本のものとしては、味噌や醤油がこれに該当する。wikipedia./塩噌:塩と味噌。
・濛:こもる。〕
二十三~二十六オモテ
〔また版木の丁付けをまちがえたようです。〕
を生じ、疾(やまい)となるなり。因(よっ)て来するところ、胃鬱(いうつ)にあり。故(ゆえ)に浮腫するもの、十(じゅう)に七八。治法(ちほう)は、浮腫の有無(うむ)にかかわらずして、麦飯(ばくはん)・赤(あ)小(づ)豆(き)を食せしめ、塩(しお)を禁じ、飽食(ほうしょく)を禁じ、胃力(いりょく)を弱らしむを、一大(いちだい)要領(ようれい)とす。麻黄・独活・羗活・防已・石膏(せきこう)・大黄の類方(るいほう)を選(えら)み、方証(ほうしょう)相照(あいてら)して、汗(あせ)を多く取り、胃気を踈(すか)し、水道を利するを肝要とす。臍下(さいか)の動気止(やむ)ときは、病(やまい)治(ぢ)したるなり。若(も)し汗多(かんた)亡陽(ほうよう)せば、医の失(あやま)りなり。汗多(かんた)亡陽(ぼうよう)を恐れて汗多(かんた)せざるものは、下医(へたい)なり。
〔脚気には,麦飯がいいといっています,林太郎さん〕
○中脘に針(はり)して胃気を洩泄(もらす)べし。風市(ふぢ)・伏兔・膝眼・三里・上廉(しょうれん)・下廉・三陰交・絶骨、皆(みな)灸すべし。腰骨(ようこつ)より上(うえ)は灸を禁ず。
○鶴膝風(かくしつふう)
二十三~二十六ウラ
には、中脘・委中・風池等に針(はり)す。効(こう)あり。
〔鶴膝風:病名。指病後膝關節腫大變形,股脛變細,形如鶴膝者。亦名鶴游風、游膝風、鶴節、膝眼風、膝瘍、鼓槌風等。見《外科心法》卷五。該病多由經絡氣血虧損,風邪外襲,陰寒凝滯而成。病初多見膝關節疼痛微腫,步履不便,並伴見形寒發熱等全身症状;繼之膝關節紅腫焮熱,或色白漫腫,疼痛難忍,日久關節腔內積液腫脹,股脛變細,潰後膿出如漿,或流粘性黃液,癒合緩慢。本病類似膝關節結核及類風濕性關節炎。/中醫指結核性關節炎。患者膝關節腫大,象仙鶴的膝部。以膝關節腫大疼痛,而股脛的肌肉消瘦為特徵,形如鶴膝,故名鶴膝風。病由腎陰虧損,寒濕侵於下肢、流注關飾所致。大多由「歷節風」發展而成。〕
○足の掌(うら)の痛(いたみ)には、崑崙に針(はり)す。
○脚(あし)ところところ腫(はれ)起(おこ)りて大銭(たいせん)のごとく、或(あるい)は長く腫(はれ)て熱し痛(いた)み、或(あるい)は流注(りゅうちゅう)して処(ところ)を移(かえ)、年(とし)久しく治(ぢ)せず、膿(うみ)ざるは、瘀血の経絡(けいらく)に溢れ流れたるなり。其(その)血絡(けつらく)を刺して血(ち)を取(とり)捨(すつ)ること、糞(ふん)のごとく。神効あり。

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