2017年8月15日火曜日

壬の声

「壬」は漢音でジン,呉音でニンです。『漢辞海』にはそう載ってます。
ところが,小篆では2種類あって,ジンとテイだと指摘されました。いわれてみると廷の声符としてはテイでないと困る。

そこで『説文解字』をみてみると,「壬,善也。从人士。士,事也。一曰象物出地挺生也。」と有りました。段玉裁は壬挺疊韵といってますから,多分,あとの一曰がテイなんでしょう。もともと別の字なのかも知れない。
廷孔

4 件のコメント:

  1.  日本内経医学会の合宿で、督脈の督は、後陰の意味を持っているらしく、任脈の任も、前陰の意味を持っている、らしい話しがありました。
     『素問』骨空論では、前陰は「廷孔」は、任と通じて、「ジン孔」と読みたいなと思ってました。でも、『太素』巻10督脈の楊上善注に「督脈之絡、従庭孔、別左右」とあったので、やっぱり「テイ孔」かも知れません。

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  2. 𢇦(广に壬)という字も有って,音はrenで,意味は下だそうです。なんだかとっても妖しい。

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  3. 『諸病源候論』婦人雜病諸候:陰挺出下脫候:「胞絡傷損,子臟虛冷,氣下衝,則令陰挺出,謂之下脱」。子宮下垂・子宮脱。

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  4. 合宿で「漫談」を聴かなかった人のために説明します。

    督脈の督は䐁で後陰であるとしたら,任脈の任は廷孔の廷とかかわりがあって前陰じゃないかという漫談で,そうはいうものの袵(おくみ)とか𧝴(衣の背縫)とかいう字も有るから,本当は単に前と後というだけのことじゃないか,というのがオチです。でも,そうはいうものの……。

    そこへ壬ジンの他に,𡈼テイという字も有るよと指摘されて,あれ拙かったな,サボったのがバレちゃったなと,弥縫策を……。

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