2017年8月23日水曜日

仮名読十四経治方 〔翻字〕20

十七 眼目(がんもく)門 めのやまひ
△夫(それ)眼目は血(けつ)を得て能(よく)視(みる)こと明(あきらか)なり。血の眼を養(やしなう)に大(おおい)に過(すぐ)ることあるか、又は足(たら)ぬことあるときは、眼病(がんひょう)となる。虚(きょ)眼(がん)は精(みづ)耗(へり)て眼(め)の養精(ちみづ)不足して病(やめ)るなり。針(しん)術、効(こう) 尤(もつとも)多し。
○眼眶(まぶた)の上下に青き黒き色あるは、尺沢に針(はり)して
二十七ウラ
血(ち)を出(いだ)せば神効。
○眼(め)の睛(ひとみ)痛(いた)んで涙(なみだ)なきは、中脘・内庭に久しく針(はり)を留(とどめ)て、即(すなわち)瀉すべし。
○瞳子(ひとみ)の突出(つきいだ)したるには、湧泉・然谷・太陽・太衝・合谷・百会・上髎・次髎・中髎・肝兪(かんゆ)・腎兪(じんゆ)に針(はり)して神効(しんこう)あり。
○大人(たいじん)小児(しょうに)の雀目(とりめ)には、肝兪(かんゆ)に灸七(なな)壮(ひ)。次に手の拇指(おやゆび)の甲(こう)の後(うし)ろ、第一(たいいち)の椎(ふし)の横紋(よこすぢ)の頭(ほと)り、白き肉の際(あいだ)に灸一(ひと)壮(ひ)。即効(そくこう)あり。
○風目(かざめ)にて眶(まぶた)の爛(ただれ)たるには、太陽・尺沢に針(はり)して血(ち)を棄(すつ)ること糞(ふん)のごとくすれは、神効あり。
〔かざめ:風目:『病名彙解』:風眼(ふうがん)「病源に云、風熱の気、目を傷(やぶ)り、眥瞼(シケン/まなじりまぶた)皆赤くただれ、風を見ればいよいよ甚し。これを風眼と云り」。かさめ(瘡目)であれば、梅毒性の眼炎。〕
○目に白き翳(もの)のかかりたるには、先(まづ)その白き翳膜(ものの)出(いづ)る処(ところ)を看(み)わけ、経(けい)に随(いたが)ひ日(ひ)を遂(お)ふて気を通ずるときは、神効(しんこう)あらざることなし。

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