2017年8月24日木曜日

『太素』卷十七 冒頭

『太素』に欠けている部分の『素問』五藏生成篇
「青如草茲者死。
黄如枳實者死。
黑如炲者死。
赤如衃血者死。
白如枯骨者死。」

『甲乙経』卷一・五色第十五と『千金翼方』卷二十五・診氣色法第一:「黑如炲煤者死」。
・森立之『素問攷注』:据文例,作「炲煤」者是。
(他の色から考えれば,黑色も「如」字の次には二字の語がくるはずである。)

・段玉裁『説文解字注』:(炱) 灰炱煤也。通俗文曰:積煙曰炱煤。玉篇曰:炱煤、煙塵也。廣韵曰:炱煤、灰入屋也。从火。台聲。徒哀切。一部。按本部無煤。土部有塺字。玉篇炱煤二文相接。

・森立之『素問攷注』:据此,則「炲煤」二字熟語,出于漢人。蓋古只云炲,云煤。漢已後云「炲煤」歟。

楊上善注(新新校正の句讀)
「滋,青之惡色也。炲,音苔,謂草烟栖聚炲煤,黒之惡色也。衃,凝惡之血也。枯骨,白色之惡色也」。

『太素』の経文も『甲乙経』と同じく「炲煤」に作っていたのでないか?
そうだとすると,楊注は:
「滋,青之惡色也。炲,音苔,謂草烟栖聚。炲煤,黒之惡色也。衃,凝惡之血也。枯骨,白色之惡色也」。
と句切るのがいいのではないか?

2 件のコメント:

  1. 同意します。手元のデータは修正しました。皆さんもよろしく。

    ただし,楊注の句読は今のままでもいいのかも知れない。
    篇首の文章は「黑如炲煤者死」にして,注記したほうがいい。

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    1. この楊注では,赤については,「衃」のようなのはよくないといい,「衃」とは何かという。黒については,「炲」なんて字の読音は知らない人が多かろうと,親切に「音苔」という。そして,青と黒と白については,どんな青と黒と白が悪い色なのかをいう。
      「炲の音はタイで,草烟栖聚炲煤のような色は,黒でもよくない色なんだよ,と謂っている。」草烟栖聚炲煤は,ちり、ほこり、すすといった感じか。

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