2017年9月3日日曜日

仮名読十四経治方 〔翻字〕25

下一オモテ
仮名読(よみ)十四(じゅうし)経(けい)治法(ちほう)巻(かん)之下(げ)
一 銅人形総図
□印は灸を禁(いむ)
△印は針(はり)を禁(いむ)
★五丁まで図(「腋より季肋まて一尺二寸」など骨度の説明あり)。省略
下六オモテ
二 癰疽門
癰疽の初(はじめ)て出(いづ)る、先(まづ)其(その)経絡の部分(ぶわけ)を看て、其(その)各(おの)おの経に随ひて針(はり)を行(おこな)ふこと間日(かんじつ)なし。如(も)し或(あるい)は針(はり)、日(ひ)を間(あいだ)するときは効(しるし)なし。日(ひ)を逐(お)ふて刺(さ)し、或(あるい)は一日(いちにち)に再び刺(さ)し、以て其(その)毒を瀉するときは、十日(じゅうじつ)に至らずして自(おのづか)ら安(やす)し。若(も)し針(はり)日(ひ)を間(へだ)て、或(あるい)は針(はり)五六度にして病者苦しみ半途(はんと)にして癈(やむ)れば、死に至る。如(も)し或(あるい)は死せずとも腐内(ふにく)より新肉を生じ、艱苦(かんく)万痛(まんつう)、累月に及ぶ。譬(たとう)るに物(もの)なし。若し病人(びょうにん)針治(しんぢ)を欲(よく)せざれは、急に騎竹馬の穴(けつ)に灸すること七壮(ななひ)。神効あらずといふことなし。
〔・腐内(ふにく):『鍼灸經驗方』瘡腫「腐肉」。/・艱苦萬苦:形容非常艱難辛苦。〕
〔『鍼灸經驗方』卷下 瘡腫:痛痒瘡瘍、皆屬心火、主治在各隨其經、及心經。癰者、陽滯於陰、為腫、有觜高起、皮肉光澤者是。疽者、陰滯於陽、為腫、無觜內暈廣大、皮膚起紋不澤者是。癰疽疔癤之初出、看其經絡部分、各隨其經、行鍼無間日、如或針間日、則無效矣。勿論擇日諸忌、逐日鍼刺、或一日再刺、以瀉其毒、則不至十日、自安。若針間日、或鍼五六度、而病者為苦半途而廢、至於死亡。如或不死、腐惡肉生新肉、延於累月、艱苦萬狀、連鍼十餘日之苦、與其死亡、或至辛苦、孰輕孰重、悔之無及。若病人不欲鍼治者、急灸騎竹馬穴七壯、無不神效」。〕
○又方。癰疽初め出(いづる)の三日の
下六ウラ
前(まえ)、急に其(その)腫物(しゅもつ)の頭(かしら)に灸二十一壮。自(おのづか)ら安(やす)し。
△其(その)初発は、至りて小(しょう)にして粟(あわ)のごとく、故(ゆえ)に人(ひと)みな忽(ゆるかせ)にして、其(その)毒を発するに至るを待(まち)て、終(つい)に死するに及ぶ。追ふて悔(くゆる)とも及(およぶ)ことなし。若(もし)已に三日を過(すぐる)ときは、即ち騎竹馬の穴(けつ)に灸各(おの)おの七壮(ななひ)。奇効あらざることなし。
〔『鍼灸經驗方』瘡腫:「又方:初出三日前、用手第四指納口、侵津涎、洽涂腫上、晝夜不輟、使不乾、不過四五日、自安。方藥無逾於此也。癰疽毒腫初出三日前、急灸其腫觜三七壯、自安。千方萬藥、無逾於此。其初發、至小如粟、故人皆忽待至其發、毒必至死域、追悔莫及。若已過三日、即灸騎竹馬穴、各七壯、無不神效」。〕
○癰疽(ようそ)諸腫(ショシュ/もろもろのはれ)、或(あるい)は痒からず痛(いたま)ず、色青黒のものは、肉先(まづ)死す。終(つい)に救(すくう)べからず。其(その)初(はじ)起(め)に急に騎竹馬の穴(けつ)に灸すること各(おの)おの七壮(ななひ)。
〔『鍼灸經驗方』瘡腫:「癰疽諸腫、或不痒不痛、色青黑者、肉先死、終不救、其初發、急灸騎竹馬穴、各七壯」。〕
○癰疽発脊、皆日(ひ)を逐(お)ふて経絡に針(はり)を行(おこな)へば、自(おのづか)ら安(やす)し。然れ共、未(いまだ)能(よく)治(ぢ)すること能(あた)はず、竟(つい)に熟し膿(うむ)に至る。三稜針を以て赤暈(せきうん)の四(ぐる)畔(り)を刺すべし。而(しこう)して大針(おおはり)を以て腫物(しゅもつ)の頭(かしら)
下七オモテ
を裂(さき)破(やぶ)る。連日に悪肉(あくにく)尽(ことごと)く消(しょう)し、新肉已(すで)に生ずるなり。
〔『鍼灸經驗方』瘡腫:「背腫、亦行逐日鍼經絡、自安然、而未能善治、竟至熟膿、以大鍼決破裂、過赤暈之裔、即取大蟾六七箇作膾、用薑芥汁連食、惡肉消盡、而新肉已生、可以起死回生。背腫當處狀如粟米者、亂出於腫上、自作穿孔、以手指揉按、則自其各孔、膿汁現出、按休則其各孔膿汁還入、是為熟膿矣。以大鍼裂破、赤暈之裔。凡大小腫、不問日數、即灸騎竹馬穴七壯。無不效者」。〕

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