2017年9月14日木曜日

仮名読十四経治方 〔翻字〕36

下十一オモテ
十三 咳嗽(ガイソウ/せき)門 幷痰喘(たんぜん)
凡(およそ)痰喘は熱に因(よっ)て上(のぼ)り、大気(たいき)の炎上(えんしょう)より致(いたす)ゆへなり。
〔『鍼灸經驗方』咳嗽:「凡痰喘、因熱而上、謂大氣炎上故也」。〕
○咳逆久しく止(やま)ざるには、大椎(たいすい)より五の椎(すい)に至る節(ふし)の上(うえ)に灸すること年(とし)の壮(かず)に随う。而(しかう)して期門に三壮(ひ)。立(たち)どころに止(やむ)こと、神効あり。
〔・椎:あらためて注記しておくと、原文はみな「推」につくる。振り仮名には「すい」と「ずい」が使われている。〕
〔『鍼灸經驗方』咳嗽・咳逆不止:「自大椎至五椎節上、灸隨年壯。又方:期門三壯、立止」。〕
○又(また)方(ほう)。乳(ち)の下(した)、一指(いっし)を留(とど)むばかりに当(あた)りて、正(まさ)に乳(ち)と相(あい)直(なお)る胸肋の間(あいだ)、陥(くぼか)なる中に灸すること三壮(ひ)。女人(おんな)は、乳(ちち)の頭(かしら)を屈(かが)めて之を取り、灸す。男(おとこ)は左り、女は右り、肌に至れば、立処(たちどころ)に治(ぢ)す。神(しん)のごとし。
〔『鍼灸經驗方』咳嗽・咳逆不止・又方:「在乳下下一指許、正與乳相直肋間陷中、灸三壯。女人則屈乳頭、取之灸。男左女右、到肌立止」。〕
○音(こえ)失(いで)がたきには、魚際・合谷・間使・然谷・肺兪(はいのゆ)・腎兪(じんのゆ)に灸すべし。
〔『鍼灸經驗方』咳嗽:失音「魚際・合谷・間使・神門・然谷・肺兪・腎兪」。〕
○喘息には、合谷・太谿・上星・太陵・列決・下(しも)三里等(とう)に久しく針(はり)
下十一ウラ
を留(とど)めて、其気(そのき)を下(くた)すべし。
〔『鍼灸經驗方』咳嗽・喘急:「上星・合谷・太谿・太陵・列缺・下三里。久留鍼、下其氣」。〕
○哮喘には、天突に五壮(ひ)。又細き蝋縄(もとゆい)の類(るい)を頸(くび)に套(かけ)て前に垂(たれ)しめ、鳩尾の骨の尖(とが)りを量り、其(その)両端(りょうはし)を後(うしろ)に旋(まわ)し、脊骨(せぼね)の上(うえ)へ索(なわ)の尽(つく)る処(ところ)に点記(てんき)し、灸七壮(ひ)より二十一壮(ひ)。
〔『鍼灸經驗方』咳嗽・哮喘:「天突五壯。又以細索套頸、量鳩尾骨尖、其兩端旋後、脊骨上索盡處點記、灸七壯、或三七壯」。〕
○痰喘(たんぜん)には、膏肓兪(こうもうゆ)に灸し、腎兪(じんのゆ)に灸し、合谷に針(はり)し、太淵(だいえん)に針(はり)し、亶中(だんちゅう)に二十一壮(ひ)。神効あり。
〔『鍼灸經驗方』咳嗽・痰喘:「膏肓兪灸、肺兪灸、腎兪灸、合谷針、太淵針、天突灸七壯、神道三七壯、亶中七七壯」。〕

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