2017年9月4日月曜日

仮名読十四経治方 〔翻字〕26

三 騎竹馬の穴法
一条(ひとすぢ)の蝋縄(もとゆい)を以て病人の尺沢の横紋(よこすぢ)より、中指(ちゅうし)の端(はし)までを量り、載断(きりたち)、偖(さて)病者の衣(き)裙(もの)を解き、体(からだ)を露(あらわ)し、直竹(まるたけ)の上(うえ)に騎(のせ)坐せしめ、尾竆骨(ひきゅうこつ)に当て、坐するに堪(たえ)しめ、彼(かの)先(さき)に量る蝋縄(もとゆい)を脊(せなか)より坐する竹の上に竪(たて)にし、縄の端尽(つく)る所の脊(せ)の上(うえ)に借(かり)点し、更に別の紙捻(こより)を作り、病者の中指(ちゅうし)の中(なか)の節(ふし)を量り、一寸となし、脊(せなか)の借(か)点より左右へ濶(ひら)き、端の尽(つく)る所に各々灸七壮(ひ)。
〔・載断:『鍼灸経験方』によれば、「截断」のあやまり。意味は「裁断」とおなじ。/・「借(か)点より」:「借(かり)点」の省略か、あるいは「仮点」の意味か。〕
止(ただ)多く灸すべからず。此(この)法を以て之(これ)に灸するときは、愈(いえ)ざるものなし。蓋し是(この)二穴は、心
下七ウラ
脈の過(よぎ)る所なり。凡(およそ)癰疽の疾(やまい)は、皆心気留滞に於(おい)て此(この)毒を生ず。之に灸せば則(すなわち)心脈流通(るづう)し、即時に安(やすく)し、以て死を起(おこ)し生(しょう)を回(かへ)する奇方(きほう)なり。
〔『鍼灸經驗方』騎竹馬穴法:「以直杻先量患人尺澤穴橫紋、比起循肉、至中指端、截斷令患人解衣裙露體、騎坐於直竹之上(瘦人用細竹、肥人用大竹)、當尾竆骨、可堪接坐。然後將其先量杻、從脊竪於坐竹之上、杻端盡處脊上點記(此則非灸穴也)、更用禾稗量病人男左女右中指中節兩紋、爲一寸、又加一寸、合爲二寸、將其二寸、中摺墨記、着於先點脊上、橫布稗兩端盡處(是灸穴也)各灸七壯、止不可多灸、以此法灸之、則無不愈者。蓋此二穴、心脉所過、凡癰疽之疾、皆於心氣留滯、故生此毒。灸此、則心脉流通、即時安愈。以起死回生矣」。〕

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