2017年9月20日水曜日

仮名読十四経治方 〔翻字〕42

十九 勞瘵門
勞瘵には、独(ひと)り艾火(がいか)を以て貴(たつとし)とす。針(しん)術薬餌(やくぢ)は功大(おおい)に微(すこ)し。脊(せ)の第(たい)三椎(ずい)より十五椎(ずい)の尖(とがり)に灸して、効あり。或(あるい)は脊(せ)骨(ぼね)を挟(さしはさ)んで両傍(りょうほう)とも、其(その)病(びょう)鬱の気の聚(あつま)る所を見(み)認(とめ)て数所を焼(やく)べし。
〔・微(すこ):「微(すく)」と書いてあって「微(すくナ)」の略か。〕
○四花患門等(とう)に灸、五万壮(ひ)。妙。
○又方。腰
下十三ウラ
眼の穴に艾(もぐさ)を安(あん)し、山椒(さんしょう)の末(まつ)を密(みつ)に𩜍(ね)りて餅の如くし、其(その)四畔(ぐるり)を闈(かこう)て火気を留(とどめ)しめ、数日(すじつ)灸して、三万壮に至れば、族類に伝(つたわ)る虫を殺す。是(これ)を遇仙の灸と名附(なづく)。神効有(あり)。
〔・密:「蜜」。〕
〔四花患門:下文を参照。また『新版 経絡経穴概論 第二版』二二二~二二三頁を参照。〕
〔『鍼灸經驗方』別穴・腰眼:「令病人解去衣服、直身正立、於腰上脊骨兩傍、有微陷處、是謂腰眼穴也。先計癸亥日、前一日預點、至夜半子時交、為癸亥日期、便使病人伏床着面而臥、以小艾炷灸七壯九壯至十一壯、瘵蟲吐出、或瀉下、即焚蟲、即安。此法之名遇仙灸。○治瘵之捷法也(病人をして衣服を解き去らしめ、身を直くして正しく立ち、腰上の脊骨の兩傍に於いて、微(すこ)し陷なる處有り、是れを腰眼穴と謂う也。先づ癸亥の日を計り、前(まえ)一日に預じめ點し、夜半子時の交(あいだ)に至るを、癸亥の日期と為す。便ち病人をして床に伏し面を着けて臥さしめ、小艾炷を以て灸すること七壯九壯より十一壯に至れば、瘵蟲吐出し、或るいは瀉下す。即ち蟲を焚けば、即ち安し。此の法之を遇仙の灸と名づく。○瘵を治するの捷法也)」。〕
〔『鍼灸經驗方』勞瘵(腹中有蟲惱人至死、相傳於族類、而殺害是也):「勞瘵症(灸腰眼穴。穴法載別穴中。其名遇仙灸)。人脈微細、或時無耇【「老」の異体字か】(以圓利針、刺足少陰經復溜穴、深刺以俟回陽脈生、方可出鍼)。虛勞百損失精勞症(肩井・大椎・膏肓俞・肝俞・腎俞・脾俞・下三里・氣海)」。〕

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