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古代中国人にとって,心臓はあらゆる器官の王だった。……紀元前2600年の古代医学書『黄帝内経』の研究に基づき,管仲は紀元前3世紀より以前に,道家の古典となる著作『管子』〔心術上〕で次のように記している。
心之在體,君之位也。九竅之有職,官之分也。心處其道,九竅循理。嗜欲充益,目不見色,耳不聞聲。
『黄帝内経』は古代中国の黄帝によって今から47〔ママ〕世紀前に書かれたとされる。……道家の古典『淮南子』〔原道訓〕にこう記した。
夫心者,五藏之主也,所以制使四支,流行血氣,馳騁於是非之境,而出入於百事之門戶者也。是故不得於心,而有經天下之氣,是猶無耳而欲調鐘鼓,無目而欲喜文章也。
明王朝の時代に李豫亨はこう記している。〔『推蓬寤語』〕
墳素之書以心為身中君主之官,神明出焉,以此養生則壽,沒齒不殆。主不明則道閉塞而不通,形乃大傷,以此養生則殃。
李梴『医学入門』
心者,一身之主,君主之官。有血肉之心,形如未開蓮花,居肺下肝上是也。有神明之心,神者,氣血所化,生之本也。
★本書の訳者が追加したとおもわれる引用文(原文)では「神者,氣血所化」を「神者,精血所化」に作る。
譯文は「神(精神や意識)は氣と血が変化したもので」となっている。
ウィリアム・ハーヴェイが循環器系を「発見」するより4千年も前に,古代中国の医師たちは血液の循環を理解していたようだ。
・紀元前2600年の古代医学書『黄帝内経』
・47世紀前に書かれた
・4千年も前に
参考文献:
Kaoru Sakatani Concept of Mind and Brain in Traditional Chinese Medicine
K. Chimin Wong,Wu Lien-Teh History of Chinese Medicine: being a Chronicle of Medical Happenings in China from Ancient Times to the Present Period
など。
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