稽神録吉州剌史張曜卿有傔力曰陶
俊甞從軍征江西爲飛石所中因有腰足
之疾因至白沙市避雨于酒肆同立者甚
衆有二書生顧俊言曰此人好心冝爲療
其疾即呼俊與藥二丸曰服此即愈乃去
俊歸舟吞之良乆疾差操篙理纜尤覺
輕捷二書生竟不𠋩見
【訓み下し】037-2
『稽神錄』:吉州刺史の張曜卿に傔力有って陶俊と曰う。嘗て從軍して江西を征し,飛石の中(あ)たる所と爲る。因って腰足の疾有り。因って白沙市に至り,雨を酒肆に避く。同じく立つ者甚だ衆(おお)し。二(ふたり)の書生有り,俊を顧みて,言って曰わく,「此の人に好心あり,宜しく爲に其の疾を療すべし」。即ち俊を呼び藥二丸を與う。曰わく,「此れを服さば即ち愈えん」。乃ち去る。俊 舟に歸って之を吞む。良(やや)久しくして疾(やまい)差(い)ゆ。篙(さお)を操り纜(ともづな)を理(あやつ)るに,尤も輕捷なるを覺ゆ。二書生,竟(つい)に復た見えず。
【注釋】037-2
○稽神録::017-2を参照。 ○吉州:隋於廬陵郡置。尋廢。唐復置。改曰廬陵郡。尋復爲吉州。元升爲吉州路。改曰吉安路。卽今江西吉安縣。 ○剌史:職官名。古代司地方糾察的官,後沿稱地方長官。/剌:「刺」の異体字。 ○傔力:指僕從。/傔:侍從。滿足。 ○甞:「嘗」の異体字。 ○從軍:參加軍隊;投身軍旅。當兵。 ○征:討伐。如:「征伐」。 ○江西:隋唐以前,習慣上稱長江下游北岸淮水以南地區為江西;有時又泛稱長江以北包括中原地區在內為江西。/江西省:隋置洪、江、饒、撫、吉、䖍、袁等州。改爲豫章、九江、鄱陽、臨川、廬陵、南康、宜春等郡。唐分爲江南西道。宋置江南西路。以東境分屬江南東路。 ○飛石:古代戰爭的工具,置石於大木之上,發機以擊敵。 ○中:遭受。 ○白沙市:在浙江鎭海縣西南。濱臨甬江。與鄞縣接界。⦿在湖南新寧縣東二十五里夫夷水南岸。路通武岡縣。⦿在廣東英德縣東姚田水南。東接新豐縣界。 ○酒肆:酒店。賣酒或供人飲酒的地方。 ○書生:讀書人。古時多指儒生。 ○好心:忠心。善心、善意。 ○冝:「宜」の異体字。 ○良乆:很久。/乆:「久」の異体字。 ○操:駕駛。《莊子.達生》:「吾嘗濟乎觴深之淵,津人操舟若神。」 ○篙:撐船的竹竿或木棍。如:「撐篙」。 ○理:辦事、處置 [treat;handle]。操理 [manage]。 ○纜:繫船用的繩索。 ○輕捷:快速敏捷。輕健敏捷。 ○𠋩:「復」の異体字。
○『太平廣記』醫三・陶俊:江南吉州刺史張曜卿,有傔力者陶俊性謹直。嘗從軍征江西,為飛石所中,因有腰足之疾,恒扶杖而行。張命守舟于廣陵之江口。因至白沙巿。避雨於酒肆。同立者甚衆。有二書生過於前,獨顧俊。相與言曰。此人好心,宜為療其疾。即呼俊,與藥二丸曰。服此即愈。乃去。俊歸舟吞之。良久,覺腹中痛楚甚,頃之痛止,疾亦多差。操篙理纜,尤覺輕健。白沙去城八十里,一日往復,不以為勞。後訪二書生,竟不復見。(出《稽神錄》。)
○【太平廣記譯文】江南吉州刺史張曜卿有一個僕從名叫陶俊,性格謹慎直爽。陶俊曾參軍征討江西,被飛石擊中,因此腰、腳都留下了殘疾,長期拄著拐行走。張曜卿讓他在廣陵渡口看守船隻。有一次陶俊到白沙市去,因遇雨,在酒館內避雨。同時站在那兒避雨的人很多。這時有兩位書生從避雨的人群前面經過,他倆唯獨注意到了陶俊。兩人相互談論著說:“這個人心眼好,應該給他治病。”於是兩人召喚陶俊,給了他兩丸藥,說:“服了它,你的病就好了。”說完就走了。陶俊回到船上把藥吃了。過了半晌,他覺得腹中痛得很厲害。又過了一會兒不痛了,病也好了許多。他操篙解纜,覺得特別輕健。白沙離廣陵城八十里,陶俊一天走個來回也不覺得累。後來陶俊訪尋兩位書生,再沒有見到他們。(出自《稽神錄》。)
○『稽神錄』第四卷:江南吉州刺史張曜卿有傔力曰〔《廣記》作「者」〕陶俊,性謹直。嘗從軍征江西,為飛石所中,因有腰足之疾,恒扶杖而行。張命守舟於廣陵之江口,因至白沙市中〔《廣記》無「中」字〕,避雨於酒肆。同立者甚眾,有二書生過於前,獨顧俊相與言曰:「此人好心,宜為療其疾。」即呼俊,與藥二丸曰:「服此即愈。」乃去,後歸舟吞之。良久,覺腹中痛楚甚,頃之痛止,疾亦都〔《廣記》作「多」〕差。操篙理纜,尤覺輕捷〔《廣記》作「健」〕,白沙去城八十里,一日復還〔《廣記》復還作「往復」〕,不以為勞。後訪二書生,竟不復見。(《廣記》卷二百二十)
識典古籍*******************************************************
《稽神錄》:吉州剌史張曜卿有傔力曰陶俊,嘗從軍征江西,爲飛石所中,因有腰足之疾。
【AI譯文】
《稽神录》记载:吉州刺史张曜卿有个勇力过人的手下叫陶俊,曾经随军征讨江西,被飞石击中,于是患上了腰和脚的疾病。
【AI 1】『稽神録』にはこう記されています。「吉州刺史の張曜卿には、勇猛な部下の陶俊がいた。彼はかつて軍と共に江西を討伐した際、飛石に当たり、腰と足を負傷した。
【AI 2】『稽神録』によると、吉州の刺史・張曜卿には、並外れた腕力を持つ部下・陶俊がいた。彼はかつて軍に従って江西を討伐した際、飛んできた石に当たり、腰と足に病を負ってしまった。
因至白沙市,避雨于酒肆,同立者甚衆,有二書生顧俊,言曰:“此人好心,宜爲療其疾。”
【AI譯文】
于是来到白沙市,在酒馆里避雨,一同站在那里的人很多,有两个书生看着韦恕,说:‘这个人有善心,应该为他治疗疾病。’
【AI 1】ある日、白沙市の酒館で雨宿りしていたところ、大勢の人々が集まっていた。その中の二人の書生が韋恕を見つめ、『この者は善良である、彼の病を治すべきだ』と語り合った。
【AI 2】あるとき、陶俊は白沙の市場に行き、酒館で雨宿りしていた。そこには多くの人が立っており、その中にいた二人の書生が陶俊を見て、「この人は心が善い、治してやるべきだ」と言い、
即呼俊,與藥二丸,曰:“服此即愈。”
【AI譯文】
于是他就喊来陶俊,给了他两颗药丸,说:‘吃下这两颗药丸就会痊愈。’
【AI 1】そこで彼らは陶俊を呼び、二つの丸薬を渡し、『これを服用すれば快癒する』と告げて
【AI 2】陶俊を呼び寄せて、薬丸を二粒渡し「これを飲めば治る」と告げて
乃去。
【AI譯文】
于是就离开了。
【AI 1】去っていった。
【AI 2】立ち去った。
俊歸舟吞之,良久疾差,操篙理纜,尤覺輕捷。
【AI譯文】
陶俊回到船上吞下它,过了很久病就好了,他拿起竹篙整理缆绳,还觉得身体轻便敏捷。
【AI 1】陶俊は船へ戻り、薬を飲むと、しばらくして病が回復した。彼は竹篙を手に取り、綱を整えると、体が驚くほど軽く敏捷になっていた。
【AI 2】陶俊は船に戻って薬を飲み、しばらくすると本当に病が癒え、竹の竿を手にして綱を整えながら、体が軽く敏捷になったのを感じた。
二書生竟不復見。
【AI譯文】
两个书生最终都没有再出现。
【AI 1】その後、あの二人の書生は二度と姿を見せなかった。」
【AI 2】その後、二人の書生は二度と現れることはなかった。
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