鍼方六集序
古歙鶴臯山人吳崐撰
【訓み下し】
古歙の鶴臯山人 吳崑 撰す
【意訳】
省略。
【注釋】
○古歙:歙縣。縣名。位於安徽省東南,因縣東南有歙浦而得名。宋宣和三年(公元1121年),平歙州人方臘起義,改歙州為徽州,轄歙、休寧、黟、績溪、婺源、祁門縣,州治歙縣。/歙縣是國家歷史文化名城,有深厚的歷史文化積澱,保留有眾多文物古蹟。現歙縣的縣城徽城鎮就是原來的徽州府城。有兩山橫亙城中,將古城一分為二:東為古歙縣附郭城,被群山環抱,狀似半月;西為古徽州府城,面對練江,地勢開闊。 ○臯:「皋」の異体字。水邊的低地。水田。高地。高大。通「高」。 ○山人:住在山裡的人。隱居山中的士人。仙家、道士。古代學者士人的雅號。 ○吳崐:明代醫家(1552-1620年?)。字山甫,號鶴皋、參黃子。歙縣(今屬安徽)人。自幼聰穎,善屬文。家藏醫書甚多,崑好慕醫術。後因舉子業不售,專而攻岐黃術。以同邑名醫余午亭習醫,盡得其術。後又到各地遊學。對『內經』尤感興趣。嘗注『素問』。有影響的注家之一。另著『醫方考』內有方七百首,考方藥之名義、見證、方藥組成及其變通。另又有『脈語』、『吳注黃帝內經素問』、『針方六集』、『參黃論』、『砭焫考』、『藥纂』等。後三種已不存。/崐:「崑」の異体字。 ○撰:著述。編纂。
良醫者,兆人司命,任不啻與九𪔂爭昂。
【訓み下し】
良醫なる者は,兆人の司命にして,任(つと)めは啻(ただ)に九鼎と爭って昂(たか)からざるのみ。
【意訳】
優れた医者は,万人の命を司る存在であり,その責任は,国の宝,最高の権威の象徴である九鼎とくらべても遜色ない高貴さがある。
【注釋】
○良醫:醫道高明的醫生。醫術精湛的醫生。『韓非子・喻老』:「故良醫之治病也,攻之於腠理。」『左傳・定公三十年』:「三折肱知為良醫。」 ○兆人:兆民。萬民、百姓。 ○司命:神名。掌管生命的神。掌握命運。亦指關係命運者。 ○任:職責、職務。無論。 ○不啻:如同。…と同じである,…のようである。 ○九𪔂:夏禹時,以九州貢金所鑄的鼎,被夏、商、周三代奉為象徵國家政權的傳國寶器。周德衰,九鼎乃沒於泗水彭城下。比喻分量極重。/𪔂:「鼎」の異体字。 ○爭:較量、競爭。如何。同「怎」。非常に。きわめて。はなはだ。 ○昂:仰起、高舉。高漲、上揚。高,貴。精神氣概振奮激揚。
然必鍼藥竝詣其極,始爲無忝。
【訓み下し】
然れども必ず鍼・藥並びに其の極みに詣(いた)って,始めて忝(は)づること無しと爲す。
【意訳】
とはいえ,必ずや鍼術と薬学の両方がその極致に達してこそ,初めてその職務に恥じることのない者と言える。
【注釋】
○鍼:この序文には「鍼」字と「針」字が混在するが,意味に違いはない。 ○藥:用來治病的物質。 ○竝:「並」の異体字。 ○詣:到、前往。 ○極:盡頭、最高境界。 ○始:方才、然後。 ○無忝:不玷辱;不羞愧。
隆古聖神,既嘗百草而示人以藥,復作九鍼而喻人以刺。
【訓み下し】
隆古の聖神,既に百草を嘗めて人に示すに藥を以てし,復た九鍼を作って人に喻(さと)すに刺を以てす。
【意訳】
古代の聖人〔神農と黄帝〕は,あらゆる植物を口に含んで,その結果を薬物として人間に提示し,また九鍼を作成して,人間に刺法を教えた。
【注釋】
○隆古:遠古。 ○聖神:泛稱古代的聖人。 ○嘗百草:炎帝神農は,たくさんの植物を嘗めて薬効や毒性を検証したという。 ○作九鍼:黄帝は雷公や岐伯に命じて九鍼を作らせたとされる。 ○喻:告知、說明。通「諭」。
亦以人命至重,拯救之術,不得不詳且悉也。
【訓み下し】
亦た人命の至って重きを以て,拯救の術は,詳しく且つ悉(つまび)らかにせざるを得ざるなり。
【意訳】
また人の命は非常に重いので,それを救済する技術は,詳細で十全ならざるをえない。
【注釋】
○至:極、甚。 ○重:『備急千金要方』序:「以為人命至重,有貴千金。」 ○拯救:挽救;救濟。援救、救助。 ○不得不:必須,必要如此。不能不。 ○詳:審慎、仔細、周全。完備、仔細。 ○悉:詳盡、詳細。
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