10-2 經穴古今省略 堀元厚撰
京大富士川文庫所蔵(ケ/一一)
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經穴古今省略序
此書北渚先生所著也雖有隧兪通考之在採索尤
多難臆誦矣故集口授之語充一軸一名經穴口義
蓋彼家最秘書名妄不語又藏之靈蘭可焉
【訓み下し】
經穴古今省略の序
此の書、北渚先生著す所なり。隧兪通考の在る有りと雖も、採索尤も多く、臆誦し難し。故に口授の語を集めて、一軸に充つ。一名、經穴口義。蓋し彼の家の最も秘する書にして、名は妄りに語らず、又た之を靈蘭に藏して可なり。
【注釋】
○北渚先生‥堀元厚。9-1隧輸通攷自叙の注を参照。 ○隧兪通考‥『古典全書』卷九所収。全六卷。延享元(一七四四)年の掘正修(ほりまさなが)序、同年の自序、翌同二年の掘景山(けいざん)(名正超(まさたつ))跋がある。衢昌栢(くしようはく)(甫山(ほざん))との共著とされる。饗庭東庵(あえばとうあん)の『黄帝秘傳經脈發揮』を基本資料に、諸説と自説を加えて成ったもの。卷一は総攷、卷二~四は正経八脈、卷五は奇経八脈、卷六は奇兪類集。元厚の経穴学に対する力量を示す書で、後世の日本経穴書に大きな影響を及ぼした(『典籍辞典』)。 ○採索‥採集捜索。 ○臆誦‥記憶し諳誦する。 ○軸‥卷軸を数える単位。 ○靈蘭‥黄帝の蔵書室の名。『素問』靈蘭秘典論「黄帝乃擇吉日良兆、而藏靈蘭之室、以傳保焉」。
經穴古今省略の序
此の書、北渚先生著す所なり。
【意訳】本書は,北渚(堀元厚)先生が著わしたものである。
隧兪通考の在る有りと雖も、採索尤も多く、臆誦し難し。
【意訳】(先生には)『隧輸通攷』という著者があるとはいえ,収集した内容がとりわけ多く,記憶にとどめるのは難しい。
故に口授の語を集めて、一軸に充つ。
【意訳】そこで口伝えで伝授されたことばをあつめて,ひとつの書籍としてまとめた。(本書は,乾坤の2巻よりなる。)
一名、經穴口義。
【意訳】別名は『経穴口義(くぎ)』という。(【口義】:口で伝える奥義。くけつ(口訣)くでん(口伝)。)
蓋し彼の家の最も秘する書にして、名は妄りに語らず、又た之を靈蘭に藏して可なり。
【意訳】思うに,堀家で一番の秘書であり,その名はむやみに口の端に上すことはない。また黄帝の蔵書室である霊蘭の室に秘蔵してよいものである。
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