卷下・十九ウラ(763頁)
(23)脫肛[ダッコウ]
肺藏蘊熱肛門閉結肺藏虗寒肛門脫出也
【訓み下し】
肺の藏 熱を蘊(つつ)み,肛門 閉結し,肺藏 虛寒し,肛門 脫出す。
【注釋】
◉『萬病回春』卷4・脫肛:「脫肛者,肺臟蘊熱,肛門閉結;肺臟虛寒,肛門脫出」。
○小兒脫肛瀉血灸龜尾
【訓み下し】
○小兒(に)脫肛瀉血,龜の尾に灸す。
【注釋】
○瀉:排泄。 ○龜尾:推拿穴位名。出『肘後備急方』。又名尾閭、閭尾。位於尾骨端。治赤白痢,泄瀉,腹脹,脫肛,慢驚風等症。
◉『鍼灸聚英』玉機微義(・鍼灸證治)・小兒:「小兒脫肛瀉血。秋深不効,灸龜尾一壯」。
○久不俞百會[項中央旋毛中可容豆]腎俞[十四推下相去脊中各二寸]灸刺
【訓み下し】
○久しく俞(い)えず,百會[項(いただき)〔頂〕の中央(まんなか),旋毛(つじげ)の中(うち),豆を容る可し]・腎の俞[十四推の下,脊中を相い去ること各二寸]灸刺す。
【注釋】
○項:「頂」字とすべきもの。 ○不俞:「不愈」とすべきもの。
◉『鍼灸聚英』玉機微義(・鍼灸證治)・小兒:「脫肛久不差……灸百會七壯」。差=瘥。
◉『鍼灸聚英』百會:「主……脫肛……」。
◉『鍼灸聚英』百證賦:「脫肛趨百會尾翠之所」。
◉『鍼灸聚英』雜病歌・腸痔大便:「乃若脫肛治百會,灸至七壯是尾窮」。
◉『千金翼方』卷27・腎病第9:「腎俞主……丈夫痔下血脫肛」。
○肛門脫出命門[十四推節下陷]灸刺
【訓み下し】
○肛門脫出,命門[十四推の節の下の陷]灸刺す。
【注釋】
出典未詳。
★参考:『鍼灸重寶記』針灸諸病の治例・脫肛:「命門俞・腎俞・長強[カメノヲ]・百會・膀胱に灸」。
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