2024年4月13日土曜日

鍼灸溯洄集 76 卷下(23)脫肛

   卷下・十九ウラ(763頁)

 (23)脫肛[ダッコウ]

肺藏蘊熱肛門閉結肺藏虗寒肛門脫出也

  【訓み下し】

肺の藏 熱を蘊(つつ)み,肛門 閉結し,肺藏 虛寒し,肛門 脫出す。

  【注釋】

 ◉『萬病回春』卷4・脫肛:「脫肛者,肺臟蘊熱,肛門閉結;肺臟虛寒,肛門脫出」。


○小兒脫肛瀉血灸龜尾

  【訓み下し】

○小兒(に)脫肛瀉血,龜の尾に灸す。

  【注釋】

 ○瀉:排泄。 ○龜尾:推拿穴位名。出『肘後備急方』。又名尾閭、閭尾。位於尾骨端。治赤白痢,泄瀉,腹脹,脫肛,慢驚風等症。

 ◉『鍼灸聚英』玉機微義(・鍼灸證治)・小兒:「小兒脫肛瀉血。秋深不効,灸龜尾一壯」。


○久不俞百會[項中央旋毛中可容豆]腎俞[十四推下相去脊中各二寸]灸刺

  【訓み下し】

○久しく俞(い)えず,百會[項(いただき)〔頂〕の中央(まんなか),旋毛(つじげ)の中(うち),豆を容る可し]・腎の俞[十四推の下,脊中を相い去ること各二寸]灸刺す。

  【注釋】

 ○項:「頂」字とすべきもの。 ○不俞:「不愈」とすべきもの。

 ◉『鍼灸聚英』玉機微義(・鍼灸證治)・小兒:「脫肛久不差……灸百會七壯」。差=瘥。

 ◉『鍼灸聚英』百會:「主……脫肛……」。

 ◉『鍼灸聚英』百證賦:「脫肛趨百會尾翠之所」。

 ◉『鍼灸聚英』雜病歌・腸痔大便:「乃若脫肛治百會,灸至七壯是尾窮」。

 ◉『千金翼方』卷27・腎病第9:「腎俞主……丈夫痔下血脫肛」。


○肛門脫出命門[十四推節下陷]灸刺

  【訓み下し】

○肛門脫出,命門[十四推の節の下の陷]灸刺す。

  【注釋】

出典未詳。

 ★参考:『鍼灸重寶記』針灸諸病の治例・脫肛:「命門俞・腎俞・長強[カメノヲ]・百會・膀胱に灸」。

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