022 隔垣徹視立壇祝毘(支韻・平) 12 六ウラ
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隔垣徹視、立壇祝毘。
(史記扁鵲傳曰、扁鵲姓秦氏、名越人、少時為人舍長舍客長桑君過、扁鵲獨竒之、常謹遇之、長桑君亦知扁鵲非常人也、出入十餘年、乃呼扁鵲私坐、間與語曰、我有禁方、年老、欲傳與公、公毋泄、扁鵲曰、敬諾、乃出其懐中藥予扁鵲、飲是以上池之水、卅日當知物矣、乃悉取其禁方書、盡與扁鵲、忽然不見、殆非人也、扁鵲以其言飲藥、卅日視見垣一方人、以此視病、盡見五藏癥結、 太平廣記曰、陳寨者泉州晉江巫也、善禁祝之術、為人治疾多愈者、有漳州逆旅蘇猛、其子病狂、人莫能療、乃往請陳、陳至、蘇氏子見之、戟手大罵、寨曰、此疾入心矣、乃立壇於堂中、誡曰、無得竊視、至夜、乃取蘇氏子、劈為兩片、懸堂之東壁、其心懸北簷下、寨方在堂中作法、所懸之心、遂為犬食、寨求之不得、驚懼、乃持刀宛轉於地、出門而去、主人弗知、謂其作法耳、食頃乃持心而入、内於病者之腹、被髮連叱、其腹遂合、蘇氏子既寤、)
【訓み下し】
隔垣徹視、立壇祝毘。(垣を隔てて徹(とお)して視、壇を立てて祝(いの)り毘(たす)く。)
『史記』扁鵲傳に曰わく、「扁鵲、姓は秦氏、名は越人。少(わか)き時 人の舍(やど)の長と為る。舍客の長桑君過(よぎ)るに、扁鵲 獨り之を奇とし、常に謹んで之を遇す。長桑君も亦た扁鵲の常人に非ざるを知るなり。出入すること十餘年、乃ち扁鵲を呼びて私(ひそ)かに坐し、間(ひそ)かに與(とも)に語って曰わく、『我に禁方有り。年老い、公に傳え與えんと欲す。公泄らすこと毋(な)かれ』と。扁鵲曰わく、『敬(つつし)んで諾す』と。乃ち其の懷中より藥を出だし、扁鵲に予(あた)う。『是れを飲むに、上池の水を以てすること卅日にして、當に物を知るべし』と。乃ち悉く其の禁方の書を取り、盡く扁鵲に與え、忽然として見えず。殆ど人に非ざるなり。扁鵲 其の言を以て藥を飲むこと卅日、垣の一方の人を視見す。此れを以て病を視るに、盡く五藏の癥結を見る」。
『太平廣記』に曰わく、「陳寨なる者は、泉州晉江の巫なり。禁祝の術を善くし、人の為に疾を治し愈ゆる者多し。漳州の逆旅に蘇猛有り、其の子 狂を病む。人能く療する莫し。乃ち往きて陳に請う。陳至る。蘇氏の子 之を見て、手を戟して大いに罵る。寨曰わく、『此の疾 心に入る』と。乃ち壇を堂中に立つ。誡めて曰わく、「竊(ぬす)み視ること得る無かれ』と。夜に至り、乃ち蘇氏の子を取り、劈(さ)きて兩片と為し、堂の東の壁に懸け、其の心は北の簷(のき)の下に懸く。寨方(まさ)に堂中に在りて法を作(な)し、懸くる所の心は、遂に犬の食と為る。寨 之を求むるも得ず、驚懼し、乃ち刀を持って地に宛轉して、門を出でて去る。主人知らず、其の作法と謂(おも)うのみ。食頃に乃ち心を持って入り、病者の腹に内(い)る。髮を被(ひら)き連叱すれば、其の腹 遂に合す。蘇氏の子 既に寤(さ)む」。
【注釋】
○垣:矮牆。 ○徹:貫通、通透。 ○壇:古代用來舉行祭祀的高臺。某些宗教舉行法事的處所。 ○堂:正房、大廳。 ○劈:用刀斧等從縱面將物體破開。 ○祝:祈禱、祈求。 ○毘:毗。通“弼”。輔助、輔佐。
○史記扁鵲傳曰:《史記》扁鵲倉公列傳:「扁鵲者,勃海郡鄭人也,姓秦氏,名越人。少時為人舍長。舍客長桑君過,扁鵲獨奇之,常謹遇之。長桑君亦知扁鵲非常人也。出入十餘年,乃呼扁鵲私坐,閒與語曰:「我有禁方,年老,欲傳與公,公毋泄。」扁鵲曰:「敬諾。」乃出其懷中藥予扁鵲:「飲是以上池之水,三十日當知物矣。」乃悉取其禁方書盡與扁鵲。忽然不見,殆非人也。扁鵲以其言飲藥三十日,視見垣一方人。以此視病,盡見五藏癥結,特以診脈為名耳。為醫或在齊,或在趙。在趙者名扁鵲」。
○少時:年輕時;年幼時。 ○人舍:旅館。 ○過:拜訪。 ○竒:「奇」の異体字。特別、不尋常。ただ者ではないと思う。 ○遇:對待。 ○常人:尋常的人,一般人。《三國演義》第三回:「吾觀呂布非常人也」。 ○私坐:謂私下〔内々に、個人的に〕留坐。/私:暗中的、祕密的。 ○間:私下的、偷偷的、不公開的。 ○禁方:祕密的醫方。珍秘的藥方或其他配方。 ○懐:「懷」の異体字。 ○上池之水:指凌空承取或取之於竹木上的雨露。 後用以名佳水。 ○卅:三十。 ○日當知物矣:『史記』索隱:「案:舊說云上池水謂水未至地,蓋承取露及竹木上水,取之以和藥,服之三十日,當見鬼物也」。 ○一方:一邊、一旁。 ○癥結:腹腔內結塊的病症。腹中結塊的病。
○太平廣記曰:《太平廣記》醫三・陳寨:「陳寨者,泉州晉江巫也,善禁祝之術。為人治疾,多愈者。有漳州逆旅蘇猛,其子病狂。人莫能療,乃往請陳。陳至,蘇氏子見之,戟手大罵。寨曰。此疾入心矣。乃立壇於堂中,戒人無得竊視。至夜,乃取蘇氏子,劈為兩片,懸堂之東壁,其心懸北簷下。寨方在堂中作法,所懸之心,遂為犬食。寨求之不得,驚懼,乃持刀宛轉於地,出門而去。主人弗知,謂其作法耳。食頃,乃持心而入,內於病者之腹。被髮連叱,其腹遂合。蘇氏子既悟。但連呼遞鋪遞鋪。家人莫之測。乃其日去家數里,有驛吏手持官文書,死於道傍。初南中驛路,二十里置一遞鋪。驛吏持符牒,以次傳授。欲近前鋪,輒連呼以警之。乃寨取驛吏之心而活蘇氏。蘇遂愈如故。出《稽神錄》」。
○泉州:隋唐皆於閩縣置泉州。後改閩州。又改福州。卽今福建閩侯縣。⦿唐初置武榮州於晉江。改爲泉州。又改曰清源郡。尋復曰泉州。宋曰泉州淸源郡。元爲泉州路。明升爲泉州府。清因之。民國廢。故治卽今福建晉江縣。 ○晉江:陳南安縣地。唐析置晉江縣。在晉江之北故名。城大於省城。其形如鯉。故曰鯉城。其初嘗環植剌桐。故又名刺桐城。明清皆爲福建泉州府治。清福建提督駐此。今屬福建廈門道。 ○巫:神鬼的代言人或是代人祈禱,求鬼神賜福、解決問題的人。 ○禁祝:禁咒。古代方士用符咒禁制邪祟,禳除災害的方術。/相傳以真氣、符咒等治病邪、克異物、禳災害的一種法術。亦謂施行禁咒之術。 ○漳州:唐置。初治漳浦。在今福建漳浦縣西南。卽今雲霄縣治。後移治龍溪。改爲漳浦郡。尋復曰漳州。元爲漳州路。明爲漳州府。清因之。民國廢。卽今福建龍溪縣治。 ○逆旅:客舍;旅館。 ○戟手:伸出手指指著對方罵。/伸出食指和中指指人,以其似戟,故云。常用以形容憤怒或勇武之狀。/別説では、ひじを戟のように曲げる。こぶしを振り上げる。/戟:武器名。戈和矛的合體,兼有勾、啄、撞、刺四種功能。裝於木柄或竹柄上。出現於商、周,盛行於戰國、漢、晉各代。南北朝後漸被槍取代,轉而為儀仗、衛門的器物。 ○簷:檐。屋頂邊緣突出牆壁的部分。 ○驚懼:驚恐害怕。 ○宛轉:回旋;盤曲;蜿蜒曲折。謂使身體或物翻來覆去,不斷轉動。 ○食頃:吃一頓飯的功夫。形容時間很短。 ○内:收受。通「納」。 ○被髮:本指披散著頭髮。謂髮不束而披散。 ○連:接合、接續。 ○叱:呼喊;吆喝 [shout at]。大聲責罵 [loudly rebuke]。『康熙字典』:「《說文》訶也。《倉頡篇》大訶爲叱」。 ○寤:覺悟、醒悟。通「悟」。
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