2021年7月1日木曜日

解讀『醫家千字文註』010

 010 臨於雲逺禀因天共(冬韻・平) 9 四オモテ

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臨於雲逺、禀因天共。

(太素經曰、黃帝曰、嗚呼逺哉、閔々乎、若視深淵、若迎浮雲、視深淵尚可測、迎浮雲莫知其際、注曰、術意妙、望之無終始、譬之浮雲、莫知其際也、 又曰、自古通天者、生之本也、又云、善言天者、必質於人、善言人者、必本於天、)


  【訓み下し】

臨於雲逺、禀因天共。(雲を臨んで遠く、稟は天に因って共(供)さる。)(雲の遠きに臨んで、稟は天の共するに因る。)

『太素經』に曰わく、「黃帝曰わく、『嗚呼(ああ)遠きかな、閔閔乎たり、深き淵を視るが若(ごと)く、浮き雲を迎うるが若し。深き淵を視るは、尚お測る可きも、浮き雲を迎うるは、其の際を知ること莫し」と。注に曰わく、「術意の妙は、之を望んで終始すること無し。之を浮き雲に譬うれば、其の際を知る莫きなり」。

又た曰わく、「古え自(よ)り天に通ずる者は、生の本なり」。

又た云う、「善く天を言う者は、必ず人に質(ただ)し、善く人に言う者は、必ず天に本づく」。


  【注釋】

○逺:「遠」の異体字。 ○禀:「稟」の異体字。天賦的資質。 ○共:供給。通「供」。

 ○太素經曰:出所未詳。『素問』疏五過論(77):「黃帝曰.嗚呼.遠哉閔閔乎.若視深淵.若迎浮雲.視深淵尚可測.迎浮雲莫知其際」。

○逺:「遠」の異体字。   

○又曰:『黃帝內經太素』卷三・調陰陽:「黄帝問於岐伯曰:夫自古通天者,生之本也」。 

○又云:出所未詳。以下の類似部分あり。『太素』卷二十七・耶客:「黄帝問岐伯曰:余聞善言天者,必有驗於人【人之善言天者是人必法天以言人故有驗於人也】善言古者,必有合於今【以今尋古為今法故必合於今】善言人者,必厭於已【善言知人必先足於己乃得知人不足於己而欲知人未之有也】 


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