2021年7月9日金曜日

解讀『醫家千字文註』016

 016 足則地方脚履濕痺(支韻・平) 10 五オモテ

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足則地方、脚履濕痺。

(太素經曰、天圓地方、故人頭圓足方以應之、 千金方曰、心肺二藏、經絡所起在手十指、肝腎脾三藏、經胳所起、在足十指、夫風毒之氣、皆起於地、地之寒暑風濕、皆作蒸氣、足常履之、所以風毒之中人也、必先中脚、久而不差、 病源論曰、風寒濕氣雜至、合而成痺、病在陽曰風、在隂曰痺、)


  【訓み下し】

足則地方、脚履濕痺。(足は地の方(方形)に則り、脚は濕痺を履(ふ)む。)

『太素經』に曰わく、「天は圓(まる)く地は方(しかく)、故に人の頭は圓く足は方にして以て之に應ず」。

『千金方』に曰わく、「心肺の二藏、經絡の起こる所は、手の十指に在り。肝腎脾の三藏、經胳の起こる所は、足の十指に在り。夫(そ)れ風毒の氣は、皆な地に起こる。地の寒暑風濕、皆な蒸氣を作(な)し、足 常に之を履む。所以(ゆえ)に風毒の人に中(あ)たるや、必ず先ず脚に中たる。久しくして差(い)えず」。

『病源論』に曰わく、「風寒濕氣雜(ま)じりて至り、合して痺と成る。病 陽に在るを風と曰い、陰に在るを痺と曰う」。


  【注釋】

 ○太素經曰:出所未詳。/『靈樞』邪客(71):「天圓地方.人頭圓足方以應之」。

 ○天圓地方:《大戴禮記》曾子天圓:單居離問於曾子曰:「天圓而地方者,誠有之乎?」曾子曰:「離!而聞之,云乎!」單居離曰:「弟子不察,此以敢問也。」曾子曰:「天之所生上首,地之所生下首,上首謂之圓,下首謂之方,如誠天圓而地方,則是四角之不揜也」。/「天圓地方」不是地平說,而是中國古代的一種哲學思想,是陰陽學說的一種體現。天與圓象徴著運動;地與方象徴著靜止;兩者的結合則是陰陽平衡、動靜互補。 

 ○千金方曰:『備急千金要方』卷七・論風毒状第一:「夫人有五藏,心肺二藏,經絡所起,在手十指,肝腎與脾三藏,經絡所起,在足十指,夫風毒之氣,皆起於地,地之寒暑風濕,皆作蒸氣,足當履之,所以風毒之中人也,必先中脚,久而不差,遍及四肢腹背頭項也」。 

 ○病源論曰:『諸病源候論』卷一・風痺候:「痺者、風寒濕三氣雜至合而成痺。其狀肌肉頑厚、或疼痛、由人體虛腠理開、故受風邪也。病在陽曰風、在陰曰痺。陰陽俱病曰風痺」。

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