名醫録醫士沈道恭時㑹史令公族有患
者約賜錢三千緡有人薦道恭醫之道恭
訴薦者曰醫不憚固命薄恐爲厚賂之所
障更欲募何人治之薦者曰唯周德濟也
道恭曰聞德濟好命幸同召之道恭與診
處令德濟用藥後果如効(詳見上道恭三千)
【訓み下し】022-2
『名醫錄』:醫士の沈道恭,時に會々(たまたま)史令公の族に患う者有り。賜を約すること錢三千緡。人有り,道恭を薦めて之を醫(い)やさしむ。道恭 薦むる者に訴えて曰わく,「醫やすこと固(もと)より命の薄きを憚らざるも,厚賂の障ぐる所と爲るを恐る。更に何人(なにびと)かを募って之を治せんと欲す」。薦むる者曰わく,「唯(た)だ周德濟のみなり」。道恭曰わく,「聞くならく,德濟に好き命あり,と。幸(ねが)わくは同(とも)に之を召せ」と。道恭 診る處を與にし,德濟をして藥を用いしむ。後に果して効あるに如(いた)る(詳しくは上の「道恭三千」に見ゆ)。
【注釋】022-2
○名醫録:008を参照。 ○醫士:醫生。 ○沈道恭:五代後周醫生。幼習儒業,留心醫術,顯德(954-959)年間以醫術名聞於京都。/以下,011-2の内容を短くしたと思われる。 ○㑹:「會・会」の異体字。適、值。恰好,正好。 ○史:史宏肇か。『舊五代史』卷一百七 漢書九 列傳四:「史宏肇,字化元……周太祖平河中班師,推功於眾,以宏肇有翊衞鎮重之功,言之於隱帝,即授兼中書令」。 ○令公:對中書令的尊稱。 ○族:親屬。如:「家族」。 ○緡:成串的錢。 ○不憚:不怕、不畏懼。 ○命薄:命運不好。高貴な人の治療に失敗して,自分の生命に危険が及ぶこと,と解するか。 ○爲厚賂之所障:011-2にこのあと「未審」あり。 ○何人:什麼人。どういう人。いかなる人。 ○唯:011-2は「惟」に作る。「惟」であれば「おもう」とも解せる。 ○好命:在命理学的角度下,是一个相对而言的概念,它并没有一个绝对固定的定义。不过,一般来说,好命可以理解为在人生的多个方面都能较为顺遂、幸福的状态。 ○幸:希冀、盼望。 ○同:一起、共同。 ○召:呼喚,特指上對下的呼喚。 ○後果:由於某種原因、行為而產生的最後的結果。 ○如:順從、依照。往、至。 ○効:「效」の異体字。摹仿。致送、奉獻。功用。 ○道恭三千:011-2のこと。
識典古籍*******************************************************
《名醫錄》:醫士沈道恭,時會史令公族有患者,約賜錢三千緡,有人薦道恭醫之,道恭訴薦者曰:“醫不憚固命薄,恐爲厚賂之所障,更欲募何人治之?”
【AI譯文】
《名医录》记载:医士沈道恭,当时侍中史令公家族中有人生病,(史令公)约定赏赐三千缗钱,有人推荐沈道恭去医治,沈道恭对推荐他的人诉说:‘医生不怕自己命薄,只怕被丰厚的财礼蒙蔽(双眼),(这样的话)还打算招募什么人来治疗呢?’
【AI 1】『名医録』によると、医師の沈道恭は、当時侍中史令公の家族の中に病にかかった者がいた際、治療の報酬として三千缗の金銭が用意されていた。ある者が沈道恭を推薦すると、彼はこう語った。「医者は自らの運命の薄さを恐れるのではなく、厚い財礼によって目を曇らされることを恐れるものだ。それならば、一体誰を治療のために召し抱えようというのか?」
【AI 2】『名医録』によると、医士・沈道恭(しんどうきょう)は、当時、侍中の史令公の一族の中で病人が出た際、治療の報酬として三千緡(びん)の銭を約束された。ある人が沈道恭を推薦して治療に向かわせようとしたが、沈道恭はその推薦者にこう語った。「医者は自分の命が短いことを恐れはしない。ただ、豊かな報酬に目がくらんでしまうことを恐れる。そうであれば、いったい誰を治療に呼べばよいのだろうか?」
薦者曰:“唯周德濟也。”
【AI譯文】
推荐的人说:‘只有周德济了。’
【AI 1】推薦した者が「周徳済しかいない」と答えると、
【AI 2】推薦者は「周徳済しかいません」と答えた。
道恭曰:“聞德濟好命,幸同召之。”
【AI譯文】
道恭说:‘听说德济喜欢卜卦,但愿能一起召他来。’
【AI 1】道恭は「徳済は占いを好むと聞く。一緒に呼び寄せることを願いたい」と述べた。
【AI 2】すると沈道恭は言った。「徳済は占いを好むと聞いている。できれば一緒に呼んでほしい。」
道恭與診處,令德濟用藥,後果如效。
【AI譯文】
沈道恭给他诊脉,让周德济用药,后来果然有效果。
【AI 1】沈道恭は病人の脈を診て、周徳済が薬を処方したところ、果たして治療は成功したという。
【AI 2】沈道恭は病人の脈を診て、薬の使用は周徳済に任せた。結果として、治療は見事に効果を上げた。
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