2024年2月13日火曜日

鍼灸溯洄集 19 (15)寒熱補瀉

   十二オモテ(649頁)

(15)寒熱補瀉

補冷先令病人咳嗽一聲得入腠理復令呼氣一

口隨呼下針至六七分漸進腎肝之部止針徐徐

良久復針一豆許乃撚針問病人覺熱否然後針

至三四分及心肺之部又令病人吸氣撚鍼內針

使氣下行至病所却外撚針使氣上行直過所鍼

穴一二寸乃吸而出針以手速閉其穴此為補瀉

熱用其寒者先刺入陽之分後得氣推內至陰之

分後令病人地氣入而天氣出謹按生成之息數

  十一ウラ(650頁)

足病人自覺清冷矣此爲瀉針解篇曰刺虗則實

之者針下熱也氣滿則乃熱實則瀉之者針下寒

也氣虗乃寒也


  【訓み下し】

(15)寒熱補瀉

冷を補するには,先ず病人をして咳嗽一聲せしめ,得て腠理へ入れ,復た呼氣一口をして,呼に隨って針を下すこと六七分に至る。漸(ようや)く腎肝の部に進めて針を止(とど)め,徐徐(そろそろ)良(やや)久しく復た針一豆許(ばか)り,乃ち針を撚り,病人に問い,熱を覺ゆるや否や,然して後(の)ち針 三四分及び心肺の部に至って,又た病人をして吸氣をせしめ,鍼を撚って針を內(い)れ,氣をして下行(げこう)せしめ,病所に至って却って外(ほか)に針を撚り,氣をして上行せしむ。直ちに鍼穴の過ぐる所一二寸,乃ち吸して針を出だし,手を以て速やかに其の穴を閉づ。此れを補と為す。熱を瀉する,其の寒を用ゆる者は,先ず刺して陽の分に入れ,後ち氣を得,推し內(い)れ,陰の分に至って後ち,病人をして地氣入り天氣出でて,謹んで生成の息數を按し足(た)ツて(足(た)シて),病人自(みずか)ら清冷を覺ゆ。此れを瀉と爲す。針解篇に曰わく,「虛を刺す則(とき)は,之を實する者は,針下 熱するなり。氣滿つる則(とき)は乃ち熱し,實する則は之を瀉する者は,針下 寒するなり。氣虛すれば乃ち寒するなり」。


  【注釋】

 ○徐徐:遲緩;緩慢。 ○良久:很久。 ○生成之息數:河図の生数:水1,火2,木3,金4,土5.成数:水6,火7,木8,金9,土10.経脈の五行属性にもとづき,補は生数,成数は瀉にこの呼吸数を使う。


 ◉『鍼灸聚英』補瀉:「明堂註云:寒熱補瀉,假令補冷,先令病人咳嗽一聲,得入腠理。復令吹氣一口,隨吹下針,至六七分,漸進腎肝之部,停針。徐徐良久,復退針一豆許,乃撚針,問病人覺熱否?然後針至三四分,及心肺之部,又令病人吸氣內針,撚針,使氣下行至病所,却外撚針,使氣上行,直過所針穴一二寸,乃吸而外撚針出,以手速按其穴,此為補。○夫病熱者,治之以寒何如?須其寒者,先刺入陽之分,後得氣,推內至陰之分。後令病人地氣入而天氣出,謹按生成之息數足,其病人自覺清涼矣。夫病惡寒者,治之以熱也何如?須其熱者,先刺入陰之分,候得氣,徐引針至陽之分,後令病人天氣入而地氣出,亦謹按生成之息數足,其病自覺和煖矣」。

 ◉『鍼經指南』寒熱補瀉:「假令補冷,先令病人咳嗽一聲,得入腠理。復令病人吹氣一口,隨吹下鍼,至六七分,漸進腎肝之部,停鍼。徐徐良久復退針一豆許,乃撚針,問病人覺熱否?然後針至三四分,及心肺之部,又令病人吸氣內針,撚針,使氣下行至病所。却外撚針,使氣上行,直達所針穴一二寸,乃吸而外撚針出,以手速按其穴,此為補。夫病後熱者,治之以寒也何如?須其寒者,先刺入陽之分,後得氣推內至陰之分。復令病人地氣入而天氣出,謹按生成之息數足,其病人自覺清涼矣。夫病惡寒者,治之以熱也何如?須其熱者,先刺入陰之分,後得氣徐引針,至陽之分,復令病人天氣入而地氣出,亦謹按生成之息數足,其病自覺知暖矣」。

 ◉『素問』針解(54):「黃帝問曰:願聞九鍼之解,虛實之道。歧伯對曰:刺虛則實之者,鍼下熱也,氣實乃熱也。滿而泄之者,鍼下寒也,氣虛乃寒也。菀陳則除之者,出惡血也」。

 ◉『衛生寶鑑』寒熱補瀉法:「凡補瀉之法,皆如前也。若病人患熱者,覺鍼氣至病所,即退鍼三二分,令病人口中吸氣,鼻中出氣,依本經生成數足,覺鍼下陰氣隆至,依前法出鍼。若病人患寒者,覺鍼氣至病所,即進鍼至二三分,令病人鼻中吸氣,口中出氣,依本經生成數足,覺鍼下陽氣隆至,依前法出鍼」。

0 件のコメント:

コメントを投稿