2024年2月19日月曜日

鍼灸溯洄集 29 (25)骨度法

   十六オモテ(659頁)

(25の1)骨度法 仰人尺寸  

髮以下至頥長一尺結喉至天突四寸天突下至

鳩尾九寸鳩尾至神闕八寸神闕至橫骨六寸半

橫骨至內輔上廉長一尺六寸內輔上廉至下廉

長三寸半內輔下廉至內踝一尺三寸內踝下至

  十六ウラ(660頁)

地長三寸 都合七尺五寸


  【訓み下し】

   骨度の法 仰人の尺(せき)寸

髮より以下 頥(い)に至って長きこと一尺,結喉より天突に至って四寸,天突下(しも) 鳩尾に至って九寸,鳩尾より神闕に至って八寸,神闕より橫骨に至って六寸半,橫骨より內輔の上廉に至って長きこと一尺六寸,內輔の上廉より下廉に至って長きこと三寸半,內輔の下廉より內踝に至って一尺三寸,內踝より下(しも) 地に至って長きこと三寸。 都合七尺五寸。


  【注釋】

 ○頥:「頤」の異体字。下巴。指鼻子下面腮頰部分。 ○結喉:謂喉頭凸出隆起。男性在青春期後,於頸部前面,由喉部甲狀軟骨所構成的隆起物。也稱為「喉結」。/なお「結」は,ここでも実際は「𦀽(糸+告)」と書かれている。増画俗字。 ○天突:經穴名。約在喉下四寸處。/出『靈樞』本輸。別名玉戶、天瞿。屬任脈。陰維、任脈之會。在頸部,當前正中線上,胸骨上窩中央。另說「在頸結喉下二寸」(『鍼灸甲乙經』)、5寸(『千金要方』)、3寸(『太平聖惠方』)、1寸(『銅人腧穴鍼灸圖經』)。布有鎖骨上神經前支,皮下有頸靜脈弓,甲狀腺下動脈分支,深部為氣管,胸骨柄後方為無名靜脈及主動脈弓。 ○鳩尾:『醫宗金鑒‧刺灸心法要訣‧任脈穴歌』: 「上腕巨闕連鳩尾」。原注: 「從巨闕上行一寸,鳩尾穴也」。「鳩尾者,即蔽心骨也。其質系脆骨,在胸骨之下岐骨之間」。別名尾翳、𩩲骬。 ○神闕:人體穴位名。即肚臍的別名。穴位名,位於臍部的正中,屬任脈經。 ○橫骨:人體部位名。指恥骨。橫骨穴,出『鍼灸甲乙經』。別名下極。必足少陰腎經。衝脈、足少陰之會。在下腹部,當臍中下5寸,前正中線旁開0.5寸。另說在臍下4.5寸,旁開0.5寸(『鍼灸甲乙經』);臍下5寸,旁開1寸(『鍼灸大成』);臍下5寸,旁開1.5寸(『鍼灸資生經』)。 ○內輔上廉:內輔骨(股骨〔大腿骨〕内髁上縁〔内側上顆〕)上廉。 ○下廉:脛骨の内側顆。 

  十六ウラ

 ○都合七尺五寸:以上の合計は7尺3寸で合わない。『霊枢』骨度(14)の「髮所覆者,顱至項,尺二寸」を欠く。

 ◉『靈樞』骨度(14):「願聞衆人之度,人長七尺五寸者……髮所覆者,顱至項,尺二寸。髮以下至頤,長一尺。……結喉以下至缺盆中,長四寸。缺盆以下至𩩲骬,長九寸。……𩩲骬以下至天樞,長八寸。……天樞以下至横骨,長六寸半。……横骨上廉以下,至内輔之上廉,長一尺八寸。内輔之上廉以下至下廉,長三寸半。内輔下廉下至内踝,長一尺三寸。内踝以下至地,長三寸」。


  卷上・十六ウラ(660頁)

(25の2)側人尺寸      

角以下至柱骨長一尺此間口傳腋中行不見者

四寸腋以下至季脇長一尺二寸季脇下至髀樞

長六寸髀樞以下至膝中長一尺九寸膝以下至

外踝長一尺六寸外踝下至京骨三寸京骨下至

地一寸 都合七尺一寸 四寸不足


  【訓み下し】

   側人の尺寸

角(かく)より以下 柱骨に至って長きこと一尺,此の間(あいだ)口傳。腋中行(ゆ)いて見えざる者四寸,腋(わき)より以下 季脇に至って長きこと一尺二寸,季脇より下(しも) 髀樞に至って長きこと六寸,髀樞より以下 膝中に至って長きこと一尺九寸,膝より以下 外踝に至って長きこと一尺六寸,外踝より下(しも) 京骨に至って三寸,京骨より下(しも) 地に至って一寸。 都合七尺一寸。 (四寸足らず。)


  【注釋】

 ◉『靈樞』骨度(14):「角以下至柱骨,長一尺。行腋中不見者,長四寸。腋以下至季脇,長一尺二寸。季脇以下至髀樞,長六寸。髀樞以下至膝中,長一尺九寸。膝以下至外踝,長一尺六寸。外踝以下至京骨,長三寸。京骨以下至地,長一寸」。


  卷上・十六ウラ(660頁)

(25の3)伏人尺寸      

顱至頂一尺二寸頂至背骨二寸半膂以下至尾

  十七オモテ(661頁)

骶二十一節共長三尺此間骨度篇脫簡乎膝膕

下至跗属長一尺六寸跗属下至地三寸


  【訓み下し】

   伏人の尺寸

顱より頂(うなじ)〔項〕に至って一尺二寸,頂(うなじ)〔項〕より背骨(はいこつ)に至って二寸半,膂より以下 尾骶に至って二十一節,共に長きこと三尺,此の間,骨度篇に脫簡か。膝膕の下(しも) 跗屬に至る長きこと一尺六寸,跗屬下(しも) 地に至って三寸。


  【注釋】

 ◉『靈樞』骨度(14):「膝膕以下至跗屬,長一尺六寸。跗屬以下至地,長三寸。……項髮以下至背骨,長二寸半。膂骨以下至尾骶,二十一節,長三尺。上節長一寸四分分之一,奇分在下,故上七節至于膂骨,九寸八分分之七。此衆人骨之度也」。


  卷上・十七オモテ(661頁)

(25の4)肩臂尺寸      

肩以下至肘長一尺七寸肘以下至腕長一尺二

寸半腕至中指本節長四寸中指本節至末四寸

半有口授左右都合七尺六寸(一寸有餘)


  【訓み下し】

   肩(けん)臂(べき)の尺寸

肩(かた)より以下 肘(ちゅう)に至って長きこと一尺七寸,肘より以下 腕(わん)に至って長さ一尺二寸半,腕より中指(ちゅうし)の本節(ほんせつ)に至って長きこと四寸,中指の本節より末(すえ)に至って四寸半。口授(くじゅ)有り。左右都合七尺六寸。(一寸餘り有り。)


  【注釋】

 ◉『靈樞』骨度(14):「肩至肘,長一尺七寸。肘至腕,長一尺二寸半。腕至中指本節,長四寸。本節至其末,長四寸半」。


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