2024年2月14日水曜日

鍼灸溯洄集 21 (17)補瀉迎隨

   十二オモテ(651頁)

(17)補瀉迎隨

迎者逆也隨者順也逆則爲瀉順則爲補迎者逢

  十二ウラ(652頁)

其氣之方來如寅時氣來注於肺卯時氣來注太

腸此時肺大腸氣方盛而奪瀉之也隨者隨其氣

之方去如卯時肺氣去注太腸辰時太腸氣去注

胃肺與大腸此時正虛而補之也餘倣此


  【訓み下し】

   補瀉迎(ごう)隨

迎は逆なり。隨は順なり。逆なる則(とき)は瀉を爲し,順なる則(とき)は補を爲す。迎は其の氣の方(まさ)に來たるを逢(む)かう。寅の時 氣來たって肺に注ぎ,卯の時 氣來たって太〔大〕腸に注ぐ(が)如き,此の時 肺大腸 氣方(まさ)に盛んにして奪って之を瀉す。隨は其の氣の方に去るに隨って,卯の時の如き,肺氣去って太〔大〕腸に注ぎ,辰の時 太〔大〕腸の氣去って胃に注ぐ。肺と大腸と,此の時 正に虛して之を補う。餘 此れに倣え。


  【注釋】

 ○太腸:和刻本『鍼灸聚英』は「大-腸」(縦書き)のようにつけた記号を「太」の点と誤解したか? あるいは「太陽」との混乱か。

 ◉1529年『鍼灸聚英』附辯・或問:「迎而奪之,隨而濟之,此固言補瀉也。然其義何如?曰:迎者,逢其氣之方來,如寅時氣來注於肺,卯時氣來注大腸。此時肺、大腸氣方盛,而奪瀉之也。隨者,隨其氣之方去,如卯時氣去注大腸,辰時氣去注於胃。肺與大腸,此時正虛而補濟之也。餘倣此」。/和刻本の訓点を参考にすると,「迎は,其の氣の方(まさ)に來たるに逢うこと,寅の時 氣來たって肺に注き,卯の時 氣來たって大腸に注ぐが如し。此の時 肺、大腸 氣方(まさ)に盛んにして,之を奪い瀉す。隨は,氣の方(まさ)に去るに隨うこと,卯の時 氣去って大腸に注ぎ,辰の時 氣去って胃に注ぐが如し。肺と大腸と,此の時 正に虛す。而して之を補し濟す。餘 此れに倣え」。

 ◉1570年『古今醫統大全』卷之七・附錄・或問:「迎而奪之,隨而濟之,此固言補瀉也。其義何如?曰:迎者,逢其氣之方來,如寅時氣來注于肺,卯時氣來注於大腸。此時肺、大腸氣方盛,而奪瀉之也。隨者,隨氣之方去,如卯時氣去注大腸,辰時氣去注於胃。肺與大腸,此時氣虛而補濟之也。餘倣此」。

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