2021年9月3日金曜日

解讀『醫家千字文註』073

 073 十全欲施八能叵包(肴韻・平) 28 二十三オモテ

https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100253551/viewer/28 

十全欲施、八能叵包。

(八十一難經曰、上工者十全九、中工者十全八、下工者十全六、周禮云、十全為上、十失一次之、十失二次之、十失三次之、十失四為下、 太素經曰、雷公問黄帝曰、針論曰、得其人廼傳、非其人勿言、何以知其可傳、黄帝曰、各得其人、任之其能、故能明其事、第一明人、第二聦聽人、苐三智辨人、苐四静慧人、苐五調柔人、第六口苦人、第七毒手人、第八甘手人、謂之八能、)


  【訓み下し】

十全欲施、八能叵包。(十全 施さんと欲し、八能 包む叵(べか)らず。)

『八十一難經』に曰わく、「上工は十に九を全(なお)し、中工は十に八を全し、下工は十に六を全す」。

『周禮』に云う、「十全を上と為す。十に一を失するは之に次ぐ。十に二を失するは之に次ぐ。十に三を失するは之に次ぐ。十に四を失するを下と為す」。 

『太素經』に曰わく、「雷公 黄帝に問いて曰わく、『《針論》に曰わく、〈其の人を得て廼ち傳え、其の人に非ざれば言うこと勿かれ〉と。何を以てか其の傳う可きを知る』と。黄帝曰わく、『各々其の人を得て、之を其の能に任(まか)す。故に能く其の事を明らかにす』と」。

〔楊上善注:〕「第一は明の人、第二は聰聽の人、第三は智辨の人、第四は静慧の人、第五は調柔の人、第六は口苦の人、第七は毒手の人、第八は甘手の人」。 之を八能と謂う。


  【注釋】

 ○十全:謂治病十治十愈。比喻完美無缺憾。 ○施:實行、推行。 ○八能:下の注を参照。 ○叵:「不可」二字的合音。[impossible]。訓読では通常「かたし」と訓む。 ○包:裹紮、容納其中。保證、擔保[guarantee]。負責 [do sth.all by oneself;shoulder a task on one's own]。

 ○八十一難經曰:『難經集注』十三難:「經言:知一爲下工、知二爲中工、知三爲上工。上工者、十全九、中工者、十全八、下工者、十全六。此之謂也」。

 ○上工:技藝高超的工人。良醫。 ○全:使完整而沒有缺憾。通「痊」,病愈 [pull through]。 ○下工:拙劣的工匠。指技能低的工匠。 

 ○周禮云:『周禮』天官冢宰・醫師:「歲終,則稽其醫事以制其食。十全為上,十失一次之,十失二次之,十失三次之,十失四為下」。

[注]:食,祿也。全猶愈也。以失四為下者,五則半矣,或不治自愈。

[疏]:云「十全為上」者,謂治十還得十,制之上等之食。云「十失一次之」者,謂治十得九,制祿次少於上者。云「十失二次之」者,謂治十得八,制祿次少於九者。「十失三次之」者,謂治十得七,制祿次少於八者。「十失四為下」者,謂治十得六,制祿次於得七者。

 ○太素經曰:以下、『黃帝內經太素』卷十九・知官能とその楊上善注に見える。文末の「謂之八能」は、經文・楊注のどちらにも見えないので、本書の撰者による補足説明であろう。

・經文:「雷公問於黄帝曰:『鍼論』曰:得其人廼傳,非其人勿言。何以知其可傳?黄帝曰:各得其人,任之其能,故能明其事。雷公曰:願聞官能奈何?黄帝曰:明目者,可使視色」。

楊上善注:「人之所能,凡有八種。視面部五行變色,知其善惡,此為第一明人也」。

・經文:「聰耳者可使聽音」。

楊上善注:「聽病人五音,即知其吉凶,此為第二聰聽人也」

・經文:「接疾辭給者,可使傳論而語〔悟〕餘人」。

楊上善注:「其知接疾,其辧敏給,此可為物説道以悟人,此為第三智辧〔辨〕人也」。

・經文:「安靜手巧而心審諦者,可使行鍼艾,理血氣而調諸逆順,察陰陽而兼諸方」。

楊上善注:「神清性明,故安靜也。動合所宜,明手巧者妙察機微,故察諦也。此為第四靜慧人也」。

・經文:「緩節柔筋而心和調者,可使導引行氣」。

楊上善注:「身則緩節柔筋,心則和性調順,此為第五調柔人也。調柔之人,導引則筋骨易柔,行氣則其氣易和也」。

經文:「疾毒言語輕人者,可使唾癰祝病」。

楊上善注:「心嫉毒,言好輕人,有此二惡,物所畏之,故可使之唾祝、此為第六苦人也」。

・經文:「爪苦手毒,為事善傷者,可使案積抑痺」。

楊上善注:「爪手苦毒,近傷物易傷,此為第七苦手人也」。

・經文:「各得其能,方廼可行,其名廼章。不得其人,其功不成,其師無名。故曰:得其人廼言,非其人勿傳,此之謂也」。

楊上善注:「各用其能,以有所當,故曰得人。如不得人,道不可傳也」。

・經文:「手毒者,可使試按龜,置龜於器之下而按其上,五十日而死矣。甘手者,復生如故」。

楊上善注:「毒手按器而龜可死,甘手按之而龜可生,但可適能而用之,不可知其所知然也。此為第八甘手人也」。

 ○廼:「乃」の異体字。 ○聦:「聰」「総」の異体字。 ○苐:「第」の異体字。 

0 件のコメント:

コメントを投稿