佛來醫范 神至愈張 佛來たって范を醫(い)やし 神至って張を愈やす (佛・神)
齊諧記有范光禄者得病腹脚並腫不能
飲食忽有一人不自通名徑入齋中坐於
光禄之側謂曰先不識君那得見詣荅曰
佛使我來理君病也光禄遂發衣示之因
以刀針腫上倏忽閒頓針兩脚及膀胱百
餘下出黃膿水三升許而去至明並無針
傷而范漸愈
【訓み下し】017-1
『齊諧記』:范光祿なる者有り,病を得て腹脚並びに腫れ,飲食すること能わず。忽ち一人有り,自ら名を通(の)べず。徑(ただ)ちに齋中に入り,光祿の側(そば)に坐す。謂って曰わく,「先に君を識らず,那(なん)ぞ見(み)詣(いた)るを得ん」。答えて曰わく,「佛 我をして來たりて君の病を理(おさ)めしむるなり」。光禄 遂に衣を發(ひら)いて之を示す。因って以て腫れの上を刀針す【明鈔本『太平廣記』:「因って針を出だし,腫れの上を針す」】。倏忽の閒,頓(とみ)に兩脚及び膀胱を針すること百餘,黃の膿水を下し出だすこと三升許(ばか)り,而して去る。明くる〔日〕に至って,並びに針の傷無くして,范 漸く愈えり。
【注釋】017-1
○齊諧記:中国,六朝時代の文語志怪小説集。宋の東陽无疑 (むぎ) の著。もと7巻あったが散逸して,いまでは魯迅の『古小説鉤沈 (こうちん) 』に 16条が集められているにすぎない。 ○通名:自道姓名。 ○徑:直接。通「逕」。 ○齋:書房、學舍。 ○謂:『太平廣記』引『齊諧記』作「光禄謂」。 ○不識:不認識。 ○那得:怎得;怎會;怎能。何以能夠。 ○詣:拜訪、進見上級或長輩。 ○荅:「答」の異体字。 ○佛:佛陀的簡稱。 ○理:修整、整治、使整齊。 ○發:啟發。現露。 ○刀針:ひとまず「刀のような針で刺す」と解する。明鈔本『太平廣記』は「以刀針」を「出針針」に作る。『太平御覽』は「以甘刀針」に作る。 ○倏忽:疾速。頃刻。指極短的時間。 ○閒:「間」の異体字。 ○頓:立刻、突然。 ○下:点校本『太平廣記』『太平御覽』,邵冠勇本『歴代名医蒙求』,みな上句につづける。「餘下」:留下、剩下。残る。余る。残す。余す。 ○明:陽。相對於「陰」。『太平廣記』引『齊諧記』作「明日」。 ○並:用於否定詞前,以加強否定語氣。相當於「絕」、「決」。まったく。 ○漸:慢慢的、逐步的。
○『太平廣記』卷二百十八・醫一・范光祿:有范光祿者得病,兩脚並腫,不能飲食。忽有一人。不自通名,徑入齋中。坐於光祿之側。光祿謂曰:「先不識君,那得見詣?」答云:「佛使我來理君病也。」光祿遂廢衣示之。因出針(「出針」原作「以刀」,據明鈔本改。)針腫上。倏忽之間,頓針兩脚及膀胱百餘下,出黃膿水三升許而去。至明日,並無針傷而患漸愈。(出『齊諧記』)〔一作「『齊諧錄』」〕。
○【太平廣記譯文】有個叫范光祿的人得了病,兩隻脚全都腫了,不能吃也不能喝。忽然有一人,不通報自己的姓名,徑直進入光祿的書房中,坐在他的旁邊。范光祿對來人說:“先前我並不認識你,怎麼到我這裡來了?”來人回答說:“是佛派我來給您治病的。”於是范光祿脫去衣服給他看。來人拿出針,在腫脚上行鍼。不一會兒,就在兩脚和膀胱的穴上進針一百多次。流出黃膿水三升多,他就走了。到第二天,范光祿沒有留下傷而病漸漸好了。(出自『齊諧錄』)。
○『太平御覽』疾病部六・腫:『齊諧記』曰:范光祿得病,腹脚並腫,不飲食。忽有一人,清朝不自通,遙進入光祿齋中,就光祿邊坐。光祿云:「先不識君,君那得來而不自通?」此人答曰:「佛使我來治君病。」發衣見之,因捉其脚,以甘刀針腫上。倏忽之間,頓針而脚及膀胱百餘下,然不覺痛。復欲針腹,其兒黃門不聽語竟,便去。後針孔中黃濃汁當出二三升許,至明曉,脚都差,針亦無孔。范甚喜。
識典古籍*******************************************************
《齊諧記》:有范光祿者得病,腹脚並腫,不能飲食。忽有一人,不自通名,徑入齋中,坐於光祿之側,謂曰:“先不識君,那得見詣?”
【AI譯文】 ★誤訳:「謂曰」=范光祿謂一人曰。
《齐谐记》记载:有个叫范光禄的人得了病,腹部和脚部都肿了,不能吃东西。忽然有一个人,也不通报自己的姓名,直接进入书房中,坐在光禄大夫的旁边,对他说:“先前不认识您,怎么会前来拜访呢?”
【AI 1】『斉諧記』には次のように記されている。范光禄という人物が病にかかり、腹部と脚が腫れて食事も摂れなくなった。ある時、名も告げず書斎へ入ってきた人物が彼の隣に座り、こう言った。「これまであなたと面識はありませんが、どうして訪ねてきたか不思議に思われるでしょう。」
【AI 2】『斉諧記(せいけいき)』には、次のような不思議な医療の逸話が記されています。あるとき、**范光禄(はんこうろく)**という人物が病にかかり、腹部と足が腫れ上がって食事もできない状態になっていた。そんな折、名前も告げずに突然現れた一人の男が、書斎に入ってきて、光禄大夫のそばに座った。男は言った。「これまであなたのことは存じ上げませんでしたが、
荅曰:“佛使我來理君病也。”
【AI譯文】
回答说:‘佛派我来医治您的病呢。’
【AI 1】范光禄が問い返すと、その人物は、「仏が私を遣わし、あなたの病を治すために来たのです。」と答えた。
【AI 2】今こうして訪ねてきたのは、仏の命により、あなたの病を治すためなのです。」
光祿遂發衣示之,因以刀針腫上,倏忽閒,頓針兩脚及膀胱百餘下,出黃膿水三升,許而去。
【AI譯文】
光禄于是解开衣服给病人看(患处),接着用刀在肿块上扎针,一会儿,又在双脚和膀胱部位快速扎针一百多下,流出大约三升黄色的脓水,这才离开。
【AI 1】范光禄は衣を解き、患部を見せた。すると、その人物は刀で腫れた部分に針を刺し、続いて双脚と膀胱の周辺に素早く百を超える針を打った。すると、約三升もの黄色い膿が流れ出し、そのまま立ち去った。
【AI 2】范光禄はこれを聞き、自らの衣を脱いで病状を見せた。するとその男は、まず腫れている腹部を刀で小さく切り開き、さらに両足と膀胱のあたりに一気に100回以上も針を打った。すると、3升ほどの黄色い膿(うみ)が流れ出たという。男はそれを終えるとそのまま去っていった。
至明並無針傷,而范漸愈。
【AI譯文】
到了天亮的时候并没有发现针伤,而范渐的病也渐渐好了。
【AI 1】翌朝、范光禄は傷跡ひとつ見当たらず、病も次第に快方へ向かったという。
【AI 2】そして夜が明けてみると、不思議なことに針や刀の痕はまったく残っておらず、范光禄の病は徐々に回復していった。
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